党大会直前、異常事態続く中国共産党
Japan In-depth / 2022年10月6日 18時0分
けれども、李首相は、グラスを持った“右手の人差し指”をまっすぐに伸ばして、習主席へ向けている。これは、明らかにテーブルマナー違反であり、失礼な行為ではないか。
また、習主席は、唇をぎゅっと噛み締めて、李首相を睨みつけ、あたかも首相に挑むかのような表情を浮かべている。一方、李首相は、余裕の笑みを浮かべ、穏やかに習主席を見ていた。まるで、主従関係が逆転したような雰囲気が醸し出されている。
さて、9月下旬以降、李首相が、習主席の好まない(というよりも+唾棄すべき)「改革・開放」を内外へ向かって繰り返し主張している。実は、最近、習主席は「鎖国論」を展開し、「改革・開放」を“牽制” (c)していた。
第1に、9月22日、李首相は、中南海の紫光閣で日本経済界代表とビデオ対話を行った。その際、李首相は「『改革・開放』は前途の様々な挑戦に対応する重要な鍵であり、今後、中国発展の重要な原動力となる」と語った。
第2に、9月30日午後、李首相は受賞歴のある海外の専門家と会談した際、「今後も揺るぎなく『改革』を深化させ、『開放』を拡大し、持続的発展に強い原動力を注入して行く」と述べた。
第3に、同日、李首相は、新任の特使や42ヶ国・機関の代表との会談でも、「『改革・開放』という国家の基本方針を堅持する。・・・国際情勢の変化にかかわらず、中国の『開放』は拡大し続けるしかない」と明言した。
第4に、同日夜の国慶節レセプションで李首相は、「『改革・開放』を堅持し、市場プレイヤーを育成し、法の運用を遵守し、市場志向、法治主義、国際的なビジネス環境を構築し、市場の活力と社会の創造性を一層喚起する」と言及した。
以上の状況から判断して、9月16日深夜、外遊先から戻った習主席の身に何かが起きた事は、ほぼ間違いないだろう。
ところで、9月12日、日中戦争・「国共内戦」での軍歴を持つ宋平・元政治局常務委員(105歳)が、唐突に「改革・開放」を唱えて世間を驚かした。他方、直近では、今年夏、江沢民元主席(96歳)の誕生日祝いの写真が出回っている(d)。なぜ、このデリケートな時期に、江元主席夫妻の写真がクローズアップされるのか、理由は定かではない。
〔注〕
(a)『FRA』「習近平が政治局常務委員を率いて花輪を捧げる 第20回党大会前、天安門広場周辺の地下鉄駅を閉鎖」(2022年9月30日付)
习近平率常委献花 二十大前天安门周边地铁站先封
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