1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

金沢の空き校舎、住民の思いで未来につなぐ 「高岡発ニッポン再興」その31

Japan In-depth / 2022年10月21日 16時26分

金沢の空き校舎、住民の思いで未来につなぐ 「高岡発ニッポン再興」その31




出町譲(高岡市議会議員・作家)





【まとめ】





・空き校舎とコミュニティバスの処遇について、金沢と高岡では全く異なる対応をとった。





・金沢市は空き校舎問題に関し、まず地元の人の思いを考慮して、空き校舎を「解体」ではなく「転用」した。





・高岡市は空き校舎問題に関して「財源ありき」で議論がスタート。地元住民の思いを残すという議論はない。





 




9月定例会が終わった後もバタバタしていましたが、少し時間があったので金沢に行ってきました。観光が目的だったのですが、結局は、視察もしてみました。政治家になって1年。仕事を忘れる瞬間はありません。高岡の参考になることは何か。いつもそればかり考えています。高岡に戻ってきてから完全な休みはありません。振り返れば、記者生活を30年やりましたが、その時も、旅行に行っても、本を読んでもネタ探しをしていました。あまり変わらないのです。


たまたま金沢で見つけたテーマは2つです。空き校舎とコミュニティバス。この2つのテーマは、この連載でお伝えしたように、私が高岡市議会9月定例会で質問しました。高岡市では空き校舎に関しては利活用する考えはなく「解体か売却」。コミュニティバスについては「検討する予定はない」でした。結論から言えば、金沢は高岡とは全く違っていました。







▲写真 「金沢未来のまち創造館」エントランス 出典:筆者提供


まずは空き校舎。2014年に廃校になった旧野町小学校が生まれ変わっていました。ここは、街中にも近く、室生犀星が卒業したことで知られています。この空き校舎を利用して去年オープンしたのが「金沢未来のまち創造館」です。高岡のような「解体や売却」ではなく、「転用」です。


なぜ転用したのか。金沢市役所の産業政策課は、地域住民が残してほしいと訴えていたためだと説明。「小学校の校舎は地域の思い入れが強いものです。地域の意向にできる限り寄り添う必要があります」と語っています。 


4階建ての空き校舎は改修されました。その際、学校で使われていた黒板や棚などをできるだけ多く残しました。地域で愛された校舎の思い出をあえて残したそうです。新しさの中に古さを残したのです。それも地元住民の思いを反映したものです。


一つ棟を増築しました。その棟には、木材を多く使った開放的な吹き抜けがあります。そこには新たにエレベーターを付けました。


コンセプトは「ものづくり、子ども、食」です。新たな産業の育成と、未来で活躍する人材育成のための施設です。託児所もあれば、オフィスや研究所、調理室もあります。







この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください