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実力の世界とジェンダーについて(上)娯楽と不謹慎の線引きとは その6

Japan In-depth / 2022年10月31日 12時6分

ただ、プロの最高位が九段であるのに対し、女流は七段、アマチュアは六段までしか一般的に認められない。


実力差はどうなのかと言うと、Eテレ(NHK教育テレビ)の将棋講座でMCを勤め、将棋親善大使にも任じられた伊藤かりんは、アマチュア初段で「アイドル最強」を自認している。ちなみに2019年まで乃木坂46のメンバーであった。


彼女はあるイベントで、実際に女流の二段に二枚落ち(上手=プロが飛車角抜き)で勝ったことがあり、番組内でも賞賛されていた。


私もこの番組のファンで、こんなかわいい子と、一度でいいから将棋を指してみたいと思っていたのだが、これを聞いて引いた。プロに二枚落ちで勝つ相手では、私の手には余るかも知れない。平手すなわち駒落ちのハンディなしならば、どうなるか。


彼女自身もYouTubeの企画で、香川愛生(かがわ・まなお)女流四段に平手で挑んだことがある。結果は私の予測の斜め上を行き、見たことも聞いたこともない「王手飛車角取り」というのをくらって惨敗、もとい、玉砕した。


まあ長い目で見れば、女性の棋士、ひいてはタイトル保持者も、いずれは誕生するだろう。今ではAIで局面を分析し、最善手を探るのが当たり前になってきているが、この傾向も女流棋士の棋力向上を後押しするに違いない。


日本は女性の社会進出が遅れていると前々から言われている。これは早急になんとかしたいものだが、と言って、企業の管理職を何パーセントまで女性にするよう法整備すべき、という考え方には賛成できない。それこそ逆差別の問題を引き起こすだけだろう。


本シリーズの最初の方で、落語界も早く男女の壁を取り払うべき、と述べた。


将棋界もまた、構造的な男女の壁は取り払われつつある。あとは、女性棋士たちが実力で地位を築いてゆくのが正しいあり方ではないだろうか。


老若男女を問わず楽しめるのが将棋なのだから……と述べると、スポーツはどうなのか、といった声も聞かれそうだ。


これについては、次回。


(続く。その1、その2、その3、その4、その5)


トップ写真:将棋イメージ 出典:ⓒaoi33/PhotoAC


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