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産業構造改革促すリスキリング支援【日本経済をターンアラウンドする!】その4

Japan In-depth / 2022年11月2日 18時0分

労働者や旧態依然とした大企業を統制・管理・誘導したり、政治的な構造改革・制度改革といった「ハード」な改革ではなくソフトなところ。ソフトであるところは、労働者の未来のイニシアティブを重視しているところである。だから反対もそんなに起きないという意味で、相当の高等戦術である。構造改革や制度改革のような「大きな」ストーリーではなく、非常に等身大の現実的なアプローチと言える。


■リスキリングの中身は?


今後、「人への投資」と「企業間の労働移動の円滑化」のために、受け入れ企業への支援や、リスキリングから転職までを一気通貫で支援する制度といった施策を新設・拡充していくそうだ。


今、ビジネス界では「人的資本」という言葉が騒がれている。ビジネスの根本的なパラダイム転換と言ってもいい。







▲図(筆者作成)


人的資本とは、これまで「費用」と考えられていた人材を個人が持つ知識、技能、能力、資質等の付加価値を生み出す「資本」として捉えるという考え方のこと。デジタル時代の競争力の源泉は工場や店舗ではなく、革新的ビジネスを創造するものとみなされ、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方が求められている。


「人への投資」のプログラムでリスキリングなど、自分の興味に近い仕事や能力にみあったスキルを身に着けるための職業訓練を受けて、生産性の高い、賃金を高めにもらえる、もしくは賃金は低くてもキャリアが見通せる、自分自身のやりがいを感じられる仕事に移れる。単なる「労働」から「仕事」へ、「サラリーマン・ウーマン」から「ビジネスパーソン」へ、やらされる仕事からやりがいのある仕事へ、社畜から思考して自立する人財へ、と仕事観も変わり、キャリアも見出せるようになる。その結果、産業構造改革で皆がハッピーになるという岸田政権の戦略である。


リスキリングの意識が低い日本でリスキリングに重点的に投資する、その政治的センスは日本のターンアラウンドの一丁目一番地になるかもしれない。岸田政権に期待したい。


(つづく。その1、その2、その3)


トップ写真:新しい資本主義実現会議のまとめを行う岸田総理(2022年10月26日 総理大臣官邸) 出典:令和4年10月26日 新しい資本主義実現会議 | 総理の一日 | 首相官邸ホームページ


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