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リハビリ農園の可能性(上)「高岡発ニッポン再興」その37

Japan In-depth / 2022年11月9日 11時0分

音楽は単に耳で聞くだけではなく、叩いた後の振動が伝わってくるため、リハビリには重要だというのです。


また、臨床美術も採用しています。それは、独自のアートプログラムに沿って、絵やオブジェなどを楽しみながら創作するもので、作品づくりに上手い下手はありません。患者は、心の中にある想いを、創作活動にぶつけることによって、心が解放されます。その結果、脳が活性化し、高齢者の認知症予防にも役立つといいます。


新藤は2021年から、リハビリの一環として、「園芸療法」を取り入れていました。もともと畑仕事をしていた高齢者の人が多く、土いじりをすると、元気になると考えたのです。そして、この園芸療法が新たな局面に入りました。病院の敷地内の空きスペースで農園がつくられたのです。きっかけは新藤がある講演を聞いたことです。


「これだと思いました。『農業は甘くないよ』と言われていましたが、講演を聞いてできると思いました。農園では、五感に触れて、作業ができます。リハビリにうってつけなのです」。


驚いたのは、その決断から実行までのスピードです。1月に講演を聞き、すぐにその講師に連絡を取り、3月3日、改めてセミナーを開催。5月に農園が誕生したのです。


ここは、1500平方メートルの敷地があります。隣りには、同じぐらいの広さのスペースか空き地のままあります。


片方は農園、片方は空き地。双方を比較すると、簡単に風景が変わったことがわかります。


新藤悠子氏に火をつけた講師は、北海道拓殖大学招聘教授の飯尾裕光氏です。飯尾氏は従来の農業の概念を打ち破る手法を導入しました。それは、リハビリ農園にとどまらず、日本の都市計画が大きく変わるきっかけとなるやり方です。


(下につづく)


トップ写真:新藤悠子氏(左)筆者提供


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