若手を鍛える「合宿」のススメ
Japan In-depth / 2022年11月24日 14時26分
上昌広(医療ガバナンス研究所理事長)
「上昌広と福島県浜通り便り」
【まとめ】
・医学生や若手医師の中には「将来が不安」と言う人が多い。
・医局や大学のクラブL LLC OB会は、コロナ禍で活動を停止しており、世代を超えた付き合いは難しい。
・若者が将来への不安を解消するには、様々な「成功例」を知ること。世代や職業を異にする人々が集い、語り合う「合宿」をお薦めしたい。
若者を鍛えるには「合宿」して、酒を飲むのがいい。長時間、一緒に過ごすことで、仲良くなり、お互いに本音を言うからだ。相互理解が進む。
我々のグループが、初めての合宿を企画したのは2005年だ。その年、東京大学医科学研究所に研究室を立ち上げ、初めてインターンの学生を受け入れた。我々に「合宿」の経験はなく、ノウハウは客員研究員を務めていただいた鈴木寛・参議院議員(当時、現東京大学・慶應義塾大学教授)に教えてもらった。彼は経産官僚時代、多くの若者と「合宿」し、指導した。その中からは、川邊健太郎・Zホールディングス最高経営責任者など、多くの逸材が育っている。この時は、彼が保有する蓼科の別荘に、鈴木氏や若者と共に泊まり込み、深夜まで語り合った(写真1)。
写真1)蓼科での合宿の光景。右から二人目が鈴木寛氏。2005年4月
当時、合宿に参加した学生の中には、坪倉正治・福島県立医科大学教授や清山知憲・宮崎市長たちがいた。
これは得難い経験だった。「若者」が何を考えているかわかるからだ。生い立ちや家族関係を知れば、彼らの内在的価値観もわかってくる。そうなれば、これに沿うように指導すればいい。これ以降、我々は事あるごとに若者と「合宿」することにしている。
2011年の東日本大震災の時も、相馬市内に合宿所を設けた。管理運営を担った星槎グループにちなみ、「星槎寮」と呼ばれた。ボランティアで現地に入った人々、地元の人々が集い、毎晩のように意見を交換した。写真は2012年7月のある夜の光景だ。この夜は、地元の福島県立相馬高校の高村泰広先生を初めとした3名の先生方がやってきて、地域の復興のためには、教育の底上げがもっとも大切だという話で意気投合した。
10月22~23日、岡山県高梁市の吹屋ふるさと村で「合宿」した。ベンガラ生産やその原料である緑著(ローハ)で巨大な富を築いた豪商たちが作り上げた中国山地の美しい町だ。近傍の広兼邸は、1977年、96年に公開された映画『八つ墓村』で田治見家のロケ地となったことで有名だ。
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