1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

ミャンマー和平が最大の課題 【2023年を占う!】東南アジア 

Japan In-depth / 2022年12月7日 18時0分

ミャンマー和平が最大の課題 【2023年を占う!】東南アジア 


大塚智彦(フリージャーナリスト)


「大塚智彦の東南アジア万華鏡」





【まとめ】


・ミン・アウン・フライン国軍司令官が率いる軍政はASEANとの「合意」受け入れを頑なに拒否。


・2023年もこの状態が継続する限り、ミャンマー問題の根本的解決は難しく、ASEANにとって「足かせ」になる。


・軍政が来年予定している民主的選挙の実施は困難で、戦闘状態が今後も続き、市民の犠牲、人権侵害が増え続けるだろう。


 


東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟の10カ国は2022年にフィリピン、マレーシアで新政権が誕生して新たな時代へ踏み出した一方で、域内最大の懸案事項であるミャンマー紛争への対応が行き詰まっており、今後どう対応するのかが焦点となる。


また実質的な軍事政権が続いているタイでは2023年3月に下院が任期満了を迎えることから総選挙が実施される見通しだが、プラユット首相を支える政権与党への逆風もあり予断を許さない状況となっている。


さらにインドネシアでは2024年の大統領選に向けて2023年10月には選挙運動が始まることからすでに水面下では選挙活動が始まり、各政党による合従連衡の動きが今後本格化するなど活発になることが予想されている。


 


■ミャンマーがASEANの足かせに


 2021年2月1日にアウン・サン・スー・チーさん率いる民主政権をクーデターで転覆させ、政権を奪取した軍は民主政府メンバー逮捕するなどの弾圧を続けスー・チーさんは複数のいわれなき容疑で身柄を拘束され裁判の被告となっている。


 武装市民組織による軍との戦闘、ゲリラ活動は全国に拡大し、国境周辺の少数民族武装勢力とともに軍との戦いを続けている。


国連や欧米諸国のミャンマー制裁と一線を画しASEANは地域連合として独自の和平・調停に乗り出してきたものの、ミン・アウン・フライン国軍司令官が率いる軍政はASEANとの「合意」受け入れを頑なに拒否しており、ASEANの活動は行き詰まり状態となっている。


 11月にタイ・バンコクで開催されたASEAN首脳会議でもミャンマー軍政の代表を招かず、「満場一致」「内政不干渉」を原則とするASEANはミャンマーを排除して和平の道を探るというまさに「ミッション・インポッシブル(不可能な使命)」状態に直面している。


2023年もこの状態が継続される限りミャンマー問題の根本的解決は難しく、ASEANにとって「足かせ」となっている。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください