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エネ不足で寒さに震える欧州

Japan In-depth / 2022年12月14日 11時15分

対ロシア制裁の一環としての今回の措置は海上輸送が対象でパイプライン輸送は含まれない。保健会社に対し、上限価格を上回って取引されるロシア産原油を輸送する船舶に保健を提供しないよう義務付ける。世界の船舶保健を実質的に支配する欧米が実施に踏み切ることで、ロシアが頼りとするエネルギー収入に打撃を与えることが狙いだ。


エストニア政府の発表によると、上限価格は定期的に見直され、初回は来年1月中旬の予定。その際、上限は原油の市場平均価格より5%低くすることも条件に含まれた。


ただ、ロシアは欧米の制裁に直面し、代替輸出先としての中国やインドへの販売を増やしており、今回の制裁が効果を発揮するのかどうか注目される。


一方、EUはガス市場価格の上限設定も模索している。EU欧州委員会は10月18日、エネルギー危機対策の一環で、指標となる「オランダ・ガス価格(TTF)」を補完する新たな指標の策定や、ガス共同調達の一部義務化などを提案。11月22日には指標策定までの緊急措置としてオランダTTFの先物を対象に、一定の条件下で市場介入する案を示した。


加盟国はこの日、欧州委が示した10月の提案には政治的合意に達した。しかし、市場介入の条件として示された上限価格の設定については、ドイツやオランダなど一部の加盟国が供給に支障が出かねないと反発。本稿執筆時点で加盟国間の協議が続いている。


EUではバルト海を経由してロシアとドイツを結ぶ「ノルドストリーム1」パイプラインなどによる供給がストップし、ロシアによるガス供給は同国のウクライナ侵攻前の約10%にまで落ち込んでいる。欧州諸国は不足分を米国やアフリカなどからの液化天然ガス(LNG)輸入を大幅に増やすことによって埋めようとしている。しかし、天候次第では各国で停電が頻発する厳しい冬となるかもしれない。


(了)


トップ写真:ウクライナで市民が雪の中を歩く市民。重要なインフラがロシアの標的にされ、首都キエフを含む大規模な断水と停電が引き起こされている。 (2022年12月7日 ウクライナ・ボロジャンカ) 出典:Photo by Jeff J Mitchell/Getty Images


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