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イデオロギーの重要性の増大【2023年を占う!】国際情勢⑥

Japan In-depth / 2022年12月19日 11時51分

イデオロギーの重要性の増大【2023年を占う!】国際情勢⑥





【まとめ】





・2023年の国際情勢でますます顕著となる第6の要因はイデオロギーの重要性の増大である。





・近年の国際秩序のあり方をめぐる戦いでは、イデオロギー面での対立や闘争も激しくなってきた。





・自国の信奉するイデオロギーを明確かつ積極的に語ることは日本にも求められることは確実である。





2023年の国際情勢でますます顕著となる第6の要因は政治理念、つまりイデオロギーの重要性の増大である。





それぞれの主権国家にとってその国が採用するイデオロギーがなにかがより重要になるという潮流を指す。





すでに述べてきたように、第二次大戦後、そして東西冷戦の終結後の世界では、多数の国家はアメリカ主導の国際秩序に加わってきた。この国際秩序は自由民主主義をはじめとする明確な政治理念、つまりイデオロギーに立脚してきた。その秩序が構築され、保持されていくうえで最大の指針であり、自明の前提だとみなす普遍的な基盤がそのイデオロギーなのだ。





だが近年にはそのアメリカ主導の国際秩序への挑戦が激しくなった。挑戦する側の中国は共産主義、社会主義を基盤に米欧式の民主主義を否定する。ロシアもアメリカの民主主義には同調しない。北朝鮮やイランにいたっては「自由民主主義」という標語自体が敵視し、否定すべき危険なイデオロギーということになる。





近年の国際秩序のあり方をめぐる戦いでは、イデオロギー面での対立や闘争も激しくなってきたのだ。2023年にもこの傾向がさらに強まることは確実だといえる。





こうした潮流のなかで既成の国際秩序に加わり、留まる国家にとっては、自由民主主義に集約される政治理念、イデオロギーの受け入れが前提となる。世界全体でのイデオロギーの区分による各国の立ち位置が明確になってきたのだ。





同時に各国にとって第5の国際潮流として指摘した国家独自の主権の発揮がより重要になれば、その国がどんな政治体制を保持し、どんな政治理念を信奉するかを自然とより明確に求めるようにもなる。主権を強調する独立国家にはその国の自主性を明示するイデオロギーの支えがより強固に求められるということだろう。





自国の団結や求心力を高めるにはその国家としての存在を理論的、精神的に保ち、支える思考が必要となる。国のあり方についてのイデオロギーの役割への求めが増大するわけである。





 ひとつの主権国家が複数政党の存在を認めるか否か、個人の政治意思の自由な表明やその結果としての普遍的な選挙を認めるか否か、経済の運営でも私有や民営という大原則を大幅に認めるか否か。いずれもイデオロギーの選択となる。





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