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南シナ海で中国ロケット破片 比が回収

Japan In-depth / 2022年12月23日 11時0分

収を断念したケースがあったとの報告も届いているという。


■比曳航中の浮遊物を中国が奪取も


さらにフィリピン海軍によると11月20日に南部パラワン州パガサ島沖で浮遊物を発見、海軍のゴムボートがその浮遊物を艦艇まで曳航を始めたところ、付近にいた船番5203の中国海警局船舶が急接近してきて曳航妨害を行い、曳航ロープを切断して浮遊物を強制的に回収、現場から持ち去ったという。


フィリピン側は中国に激しく抗議したが、中国側は「浮遊物を曳航中だったフィリピン側と中国側は現場で友好的な協議を行い、フィリピン側が浮遊物を中国側に返還した。フィリピンには感謝している」と在マニラ中国大使館は発表してフィリピン側が指摘する「強奪」という主張を完全に否定した。


マルコス大統領はこの事案に関して「海軍の報告と中国からの報告は一致していない」としたうえで「私は海軍を完全に信頼しており、海軍が起きたと言っていることなら私はそれが実際に起きたと


信じることしかできない」と記者団に語り、中国側に説明を求める姿勢を示した。


このような一連の南シナ海での浮遊物はいずれも「長征5号B」からの落下物とみられているが、2021年の8月にもルソン島南西部にある西ミンドロ州州都マンブラオ沖でも浮遊物が発見されており、「長征5号B」以外にも浮遊物を落下させたロケットの存在があるとみられ、中国のロケットからの落下物は恒常的に南シナ海に落下し、フィリピン漁船や漁民の安全を脅かしていることが明らかになっている。


■対中国で防衛力強化の声も


こうした状況を受けて地元メディアの報道によると下院では南シナ海の自国の領海、排他的経済水域(EEZ)内での海洋権益保護と警戒監視のために海軍力、空軍力、沿岸警備隊の装備充実、近代化を求める声が出ているという。


フィリピン軍、沿岸警備隊にはドローンや無人航空機、砲艦などを可能な限り早期に調達して「再発防止のための致命的火力、装備による抑止政策を採用するべきだ」との声明をジョーイ・サルセダ下院議員は明らかにしている。


フィリピンはこのところEEZ内などでの中国海警局船舶の活動が活発化しているほか、漁船の集結などでフィリピンへの圧力を強めていることに警戒感を強めている。


1月に予定されるマルコス大統領の就任後初の訪中では習近平国家主席との首脳会談が予定され南シナ海問題の協議は不可避とされているが、訪中を前にフィリピン側の強硬姿勢を牽制するとの狙いが中国側にあるとの見方が有力だ。


経済的に中国への依存度が高いフィリピンが南シナ海問題でどこまで持論を主張できるか、マルコス大統領の手腕が問われている。


トップ写真:米国と共同水陸両用演習を実施(2022年03月31日、フィリピン・クラベリア)出典:Photo by Ezra Acayan/Getty Images


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