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金正恩体制、新たな危機局面へ【2023年を占う!】北朝鮮

Japan In-depth / 2022年12月26日 23時0分

北朝鮮がまだその能力を公開していない戦略武器では「北極星4・5型」のような新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、新型潜水艦の建造、そしてICBM弾頭の大気圏再進入能力と複数個別誘導再突入体(NIRV)などがある。来年中にこうした能力の示威を通して完全な核能力を備えているというメッセージを米韓と全世界に発信しようとするに違いない。


 北朝鮮は、この核ミサイル開発促進のために、サイバ‐部隊の強化を図り、暗号資産と核ミサイル関連技術の奪取、韓国での社会混乱造成を図るハッキングなどを強化することが予測される。


 


2、金正恩の偉大性宣伝と住民統制をさらに強化する


軍事目標達成のため、内部結束の一層の強化も図るだろう。まずは金正恩の偉大性宣伝の強化だ。そして各種会議体を稼働し、目標未達成の幹部を次々と入れ替える金正恩式恐怖人事が続けられることは間違いない。住民統制と韓流の排撃を強化して体制の安定性を誇示するプロパガンダも強化されるだろう。


 特に、2月の朝鮮人民軍創建75周年と金正日誕生日、4月の金日成誕生日のほか政権樹立75周年と停戦協定締結70周年などで大規模記念行事を開催し、対内結束誇示に利用するものと予測される。こうした軍事への資金の偏頗的配分と無理な住民動員は、食料危機とも相まって、住民の内部不満を更に高めるに違いない。 


北朝鮮の来年の経済状況を展望した場合、食糧問題の改善はほとんど期待できない。食料確保のために国境閉鎖を緩和して中国からの援助受け入れ体制を整えると思われる。また物資と資金不足を補うために貿易を増大させると思われるが、変数は中国における「ウィズコロナ政策」への転換だ。北朝鮮内部へのコロナウイルス伝播が予測される中で貿易再開が行われるかは不透明だ。また貿易が再開されたとしても、物資の輸入拡大で外貨枯渇速度が増加し、為替レートや輸入物価の上昇など新たな要因が経済を圧迫するだろう。


 


3、金正恩は米韓との緊張を激化させ中国への傾斜を強める


2023年は北朝鮮と米韓との軍事衝突があるかもしれない。


韓国国防部と米国防総省は今年11月「適時に米戦略資産を韓半島に展開し、北朝鮮に対する核の傘(拡張抑止)能力を強化する」とすでに合意している。ある韓国軍関係者は「今回の(12月20日のB52H戦略爆撃機などによる等による)訓練は、韓米による11月の合意に基づくものだ」とした上で「北朝鮮の挑発に韓国と米国はより強固な態勢で対応する」とコメントした。


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