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囮捜査に賛否噴出 インドネシア

Japan In-depth / 2023年1月2日 11時0分

■外国人もKKNの洗礼


スハルト時代にインドネシアに滞在する日本人など外国人は滞在ビザ更新を自分でやろうとすると数カ月を要したが、移民局にコネのあるエージェントに現金を渡して更新を依頼すれば約1週間で手続きは終了した。


交通違反で警察官に摘発されそうになった場合も現金でその場で解決できたし、長蛇の行列が常態化していた国際空港での入国審査も別室に行き現金を挟んだパスポートを提出すれば瞬時に入国スタンプが押された。


このようなKKN体質は民主化が実現した以降もインドネシア人のDNAに刷りこまれたように相変わらず「社会の潤滑油」として「立派に機能」していた。


しかしメガワティ大統領が設立したKPKはそうしたインドネシアの悪弊に正面から切り込んだ。それこそそうした汚職体質排除がインドネシアの国際的評価を改める大きな要素であるとの使命感からだった。


■ 牙を抜かれたKPK


ところが独立捜査機関としてのKPKが有する権力で次々と政治家などの摘発が強化されることに危機感を抱いた集団が現れた。なんとそれが国会議員たちで、2019年にKPKの捜査を制限する改正法案を可決してしまった。


主な改正点はKPK職員を国家公務員とする、上部機関として監督評議会の発足、盗聴捜査などはこの監督評議会の許可が必要などでKPKの捜査権力を制限する改正でKPKは「牙を抜かれた」と学生や人権活動家は改正案成立前からデモを繰り返して反対した。


しかし自身や所属政党関係者へのKPKの汚職追及を阻止するため国会議員が一団となり法案は可決され、新たな委員長に南スマトラ州警察本部長で汚職疑惑も指摘された人物を任命したのだった。


こうした動きにメガワティ大統領が党首を務める与党「闘争民主党(PDIP)」を後ろ盾とするジョコ・ウィドド大統領は「法案改正は国会の責務」としてあえて反対しなかった。


しかし2024年の大統領選に向けた国会議員や政党による資金調達が激しくなる中、KPKは息を吹き返したのように裁判官、州政府幹部などの汚職摘発に積極的に動き出す。その主な手法が囮捜査だったのだ。


■ 囮捜査批判に反論噴出


囮捜査を「インドネシアの国際的なイメージを悪化させる」と批判したルフット調整相は12月27日、環境関係のイベントで「OTTは問題があり、国のイメージを損なうものだ」「OTTは恥ずべき行為である」などと再びKPKによるOTTを批判する発言を行った。


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