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囮捜査に賛否噴出 インドネシア

Japan In-depth / 2023年1月2日 11時0分

これに対し人権団体、学生組織、学識経験者などは「囮捜査を批判することこそがインドネシアの国際社会でのイメージを悪化させる」と一斉に反発している。


KPKの委員長も12月27日に全捜査官に対し「法に従い躊躇することなく捜査に当たって欲しい」と訓令。


ルフット調整相の2度に渡る批判発言に対しては28日に「KPKは国家機関であり権力者を含め何人からも介入や干渉を受けることはない」と毅然とした姿勢を内外に示し、「牙を抜かれた」KPKが「牙はなくとも噛み付くことはできる」ことを示したのだった。


2019年の法改正でKPK捜査員は国家公務員となるため「国家忠誠度試験」なるものを全員が受験させられ、75人が失格し51人が解雇された。


その中には敏腕捜査官が複数含まれており捜査力は著しく低下した。


KPK改正法案が可決した2019年の前年である2018年には261件の汚職事件を立件したKPKだが「牙を抜かれた」直後の2020年の捜査は捜査着手が22件で立件2件に止まった。


ところが2022年には149件の汚職事案を捜査し、最高裁判事2人、州知事4人、市長2人などを摘発するという実績を上げ、KPK復活の兆しを対し国民は喝采で迎えている。


こうした中での「囮捜査批判」はルフット調整相自身あるいは関係者など政権へのKPKの汚職捜査が及ぶことを懸念したのではないかとの見方が有力だ。つまり現在も政界には汚職構造が脈々として引き継がれていることを暗示しているといえる。


インドネシアの「国際的なイメージダウン」だと気炎を上げた閣僚の発言が逆に「イメージダウン」を招来する結果になっていることをルフット調整相は知るべきだろう。


トップ写真:ジョコ・ウィドド大統領が汚職撲滅委員会で演説をする(2014年6月26日、インドネシア・ジャカルタ) 出典:Photo by Oscar Siagian/Getty Images


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