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北朝鮮「党中央委総会」注目点と金正恩の「異常」

Japan In-depth / 2023年1月7日 23時0分

また国際関係構図が「新冷戦」システムへと明白に転換され、多極化の流れがいっそう早まるとの情勢認識を示し、「対外活動の原則」を提示して対米強硬路線の強化を強調した。


この点について朝鮮中央通信は「特に、強対強、正面勝負の対敵闘争原則に基づいてわれわれの物理的力をいっそう頼もしく、確実に固める実際の行動へ移るための具体化された対米・対敵対応方向が宣明された」と報道した。


2、親北朝鮮派の元統一部長官丁世鉉までも金正恩の異常さを指摘


今回の朝鮮労働党総会を評価して韓国における指折りの親北朝鮮派である丁世鉉(チョン・セヒョン)元統一部長官は1月2日、「CBS キム・ホンジョンニュースショー」に出演し、「北朝鮮は最悪状態だ」とし、次のように語った。


「北朝鮮はいま悪材料だらけだ。これといった成果は何もない。経済は苦境に陥り、今回の党中央委員会総会を見れば、経済関連でほとんど成果を挙げられず、業績を見せつけられなかった。この一年間成果はなく、本筋とは関係のない住宅建設だけを強調した。住宅建設が国家の重要課題と言えるのか。


食糧難は火を見るよりも明らかだし、民心の悪化は想像以上だ。例えば2021年末に“反動思想排撃法”なる法律を作り、USBなどで韓国の動画を持ち込んで流布したら死刑と定めた。動画を見ただけでも5年、7年の懲役刑となる。これは何を意味するのか、それは民心が動揺し揺れ動いているということだ。


例えば、北朝鮮で韓国式用語が流行しているのだが、男友達にオッパ=お兄さん(従来はトンム)と呼んだり“あなた”を“チャギ”と呼んだりしたら傀儡式(韓国式)言葉使いだとして厳罰に処している。社会文化が韓国化して北朝鮮社会風潮が相当崩れているのだ。こうしたことが対韓国への強行対応の根底にあると思われる。だから金正恩は韓国を絶対的敵と規定した。


戦術核兵器を大量生産すると宣言し、核弾頭も幾何級数的に増加させると主張した。しかし大量生産するとの主張には少々誇張がある。7回目の核実験も行われず、核の小型化が完成していない中で、短距離ミサイルや600mmロケット砲に核を装着するには無理がある。まだ青写真段階ではないかと考えられる。


“核弾頭を幾何級数的に増やす”というのも疑わしい。北朝鮮に世界的ウラン鉱脈があり、それを濃縮再処理して核爆弾を製造する能力を持っているとしても、経済が弱体化し縮小している中で、それだけを非対称的に肥大化させることができるのだろうか?言葉は大きく言っているが、“吠える犬は噛みつかない”とのことわざがあるように口だけだと思う。尹大統領は北朝鮮の無人機侵入に対して比例対応せよと言っているが、無視する必要もないが怖がることはないと思う。


4月には、金日成の誕生日もあり、軍事衛星を発射すると思われるが、戦術核兵器を大量生産して装着するのは難しいだろう。この武器の実験はまだ我々に見せつけていない。


7回目の核実験は行うと見られるがまだ行っていない。中国の圧迫と牽制が背景にあると見られる。この問題は米中関係の行方と関係すると思われる。強対強の南北関係が続けば局地戦もありうる」(CBS 2023・1・2)。


トップ写真:韓国の領空を侵犯した北朝鮮のドローンを撃墜できなかったことを受け行われた対ドローン訓練を行う韓国軍兵士が、20mmバルカンロータリーキャノンを操作している様子。(2022年12月29日、韓国・ヤンジュ)出典:Photo by South Korean Defense Ministry via Getty Images


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