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中国の人口減少問題

Japan In-depth / 2023年1月27日 18時0分

今は、物質的には豊かで恵まれていても、私達は本当に昔の人達より幸せなのか。もし、人々が子どもを産むという意欲を高めたいのであれば、北京は、人々の様々な負担を減らす必要があるのではないか。しかし、この負担を減らす事ができるのだろうか」と。


以上のような状況下、中国では「少子高齢化」時代が到来した。2022年末現在、中国の0~15歳人口は2億5615万人で全体の18.1%を占め、16~59歳の生産年齢人口は8億7556万人で(同)62.0%である。だが、60歳以上は2億8004万人で(同)19.8%を占めており、このうち65歳以上は2億0978万人で(同)14.9%を占める。


昨年は、一昨年と比べて、16~59歳の生産年齢人口は666万人減(-0.4ポイント)だった。ところが、60歳以上人口は1268万人増(+0.9ポイント)、65歳以上人口は922万人増(+0.7ポイント)である。


ところで、話は変わるが、インドは毎年の出生人口が2000万人以上である。近い将来、インドの人口が中国を超える(d)という。


実は、インドでも2019年から2021年まで実施した最新の家族健康調査で、2015年と2016年の前回調査時の2.2人から女性1人当たりの合計出生率が2.0に減少(e)している。


ただし、中国とは異なり、インドは「人口ボーナス」(生産年齢人口が多い)の状態なので、今後、経済発展が十分見込まれる。


 ちなみに、インド人女性は労働参加率が非常に低い。『npr』の「不思議だ。インドの女性たちは、経済が良くなっても労働力から脱落してしまう」(2023年1月16日付)(f)という論考が興味深い。2021年ではたった19%の女性しか働いていないが、以下の理由が考えられるという。


(1)豊かさは、女性が働かなくてもよいことを意味する。


(2)教育を受けることは、女性を労働から解放することである。


(3)「女性は外で働くべきではない」という考え方がある。


(4)移住は、安全面で不安が残る。


(5)女性の労働力を測定することが難しい。


(6)インドには女性に適した仕事、利用しやすい仕事がない。


  現在、インドでは、かつて日本にも存在した価値観―女性は家庭に入り、良妻賢母となる事が求められる―が依然、優勢なのかもしれない。


〔注〕


(a)『国家統計局』


「王萍萍:総人口は微減、都市化レベルは上昇を続ける」


(2023年1月)


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