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窮地に追い込まれた金正恩、娘までプロパガンダに動員

Japan In-depth / 2023年2月13日 23時25分

北朝鮮の穀物需要や供給量、食料価格などをもとに分析した結果、穀物の在庫量が最低必要量以下に下がっているとした。38ノースの分析によると、2021年上半期の北朝鮮のコメ価格は、国際価格比1キロ当たり0.5ドル以上の差を記録した。2009年に38ノースが測定を始めて以来、北朝鮮の穀物価格は国際穀物価格を上回っていたが、今回のように大きな差が出たのは異例のことである。北朝鮮の食糧供給網が崩壊したことを意味する信号だと38ノースは分析した。


北朝鮮の食料価格は、新型コロナウイルス防疫で中朝国境を閉鎖した2020年1月、そして市場(チャンマダン)からドルを吸い上げる「貨幣代用証書(銭票)」を発行した2021年秋に急騰したが、特に、トウモロコシ価格がコメよりも大幅に上昇した。主食のコメが不足し、代替作物に依存するほかない状況が原因だったと思える。


この流れは、2022年にも続いた。肥料を多く使うトウモロコシから麦への転換政策が思うような成果を得られず、そこに農繁期前の干ばつ、豪雨、5月からのコロナウイルスの爆発的拡散が加わったことで、農業は深刻な打撃を被った。減少する食料の管理強化のために、当局が国営販売所以外での穀物販売を禁止したことで、住民の困窮は急拡大した。


そればかりか、ロシアのウクライナへの侵攻で、世界的食糧不足と価格の高騰が起こり、北朝鮮の食料確保を困難にした。今後中国の「ゼロコロナ」政策撤回による食料需要増が加われば、北朝鮮の食料不足事態は、さらに深刻になる可能性がある。


■揺らぐ金体制、韓流の阻止と住民統制強化に必死


こうした中で、韓国の聯合ニュースは2月6日、北朝鮮南西部の開城市で食料事情が悪化し、1日数十人が餓死しているとの消息筋の話を伝えた。開城は生活水準が比較的高いとされる地方都市で、これが事実なら食料難が全国で深刻化している恐れがある。


食糧危機拡大は、北朝鮮社会の動揺を拡大させている。こうした状況を反映して1月17日に開かれた第14期第8回会議では、韓流の阻止と住民統制の強化が取り上げられた。それが平壌文化語保護法の採択と中央検察所の役割強化だ。


平壌文化語保護法の採択では、カン・ユンソク最高人民会議常任委員会副委員長が報告で「平壌文化語保護法は、わが言語生活領域における非規範的な言語要素 を排撃し、平壌文化語を保護し、積極的に生かしていくことに対する朝鮮労働党の構想と意図を徹底的に実現する上で、重要な問題を規定している」とした。


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