窮地に追い込まれた金正恩、娘までプロパガンダに動員
Japan In-depth / 2023年2月13日 23時25分
この発言から見て、法採択の意図は韓流文化を徹底的に排撃することにあると考えられる。2020年に採択された「反動思想文化排撃法」でも統制ができず、より強い統制を加えるために「平壌文化語保護法」を制定したものと見られる。
中央検察所の強化問題では、 朝鮮中央通信が「国家全般に革命的遵法気風を確立するための法的監視と統制の度数を高めていく上での実践的問題と中央検察所の事業に対する意見が提起された」とし、これに対する対策が発表されたと説明した。
これまで北朝鮮の検察所は、党組織指導部、国家保衛省、社会安全省、軍総政治局などに比べて権限が大きくなかった。そうした中で、今回の最高人民会議で、中央検察所の強化案を議題に入れたのは、住民を三重、四重に統制するとともに、統治機関同士で忠誠競争を繰り広げさせ、金正恩世襲体制をより強く支えようとすることに狙いがあるとみられる。
■外部情報の徹底遮断を狙い、国家秘密保護法まで採択
最高人民会議第14期第8回会議に続き、2月2日には、最高人民会議常任委員会総会が開かれ、国家秘密保護法が政令として採択された。この法律は「秘密保護の制度と秩序を確立し、国家の安全と利益、社会主義建設に寄与する使命を持つ」とし、情報管理と統制の強化を図るものだ。
昨年6月の党書記局拡大会議で、金正恩総書記が公安部門への指導強化と「機密管理体系を改善する問題」を指示していたが、これに沿った法整備を行った模様だ。
締めすぎて「効かなくなったネジ」は、いくら締めても空回りするだけだ。住民への締め付けを極限にまで高めている金正恩体制はいま、そのような状態となっている。
トップ写真:人民軍創建75周年軍事パレードを観閲する金正恩 2023年2月9日 北朝鮮・平壌
出典:Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images
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