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「公設民営バス」松本市が国を動かした 「高岡発ニッポン再興」その56

Japan In-depth / 2023年2月19日 7時0分

▲図 2023年4月、「公設民営」という新しい運行形態でスタートする「ぐるっとまつもとバス」のバス停デザイン(提供筆者)





その次のポイントは10月です。4月以降、1社に絞り込むため、入札を行った上で、10月に特定の事業者に一括して委託します。そこで5年契約となります。公設民営バスが本格的に動き出すのです。





精緻に練られている政策だなと感心していますが、それを実現するまでのスピードにも、私は驚きました。2年足らずなのです。





まずは、令和3年6月に、専門家を交えて「公設民営バス」の会議を立ち上げました。その後、市民を対象にアンケート調査を実施。専門家は11月に再編計画の中間報告を市長に提出しました。





それから、松本市は、市内全域で住民説明会を開きました。令和3年度と4年度、あわせて48回です。878人の人が参加しました。「住民の意見を聞いて、路線を変更したケースもあった」(公共交通課)。こうして市民との対話をベースに、市が新たにバスの路線網をつくったのです。





松本市がやろうとしている「公設民営バス」。国土交通省はそれを参考にして、運輸行政を転換しようとしています。赤字補てんからの決別です。地方から、国を動かしたのです。「松本発ニッポン再興」となったのです。私はこのコラムのタイトルのように「高岡発ニッポン再興」を掲げていますが、先を越されたと反省しています。





ただ、一方で痛感しました。高岡市も行政が主導して公共交通を再構築するタイミングに来ています。高齢化に伴う免許返納者の増加。さらには、一人一台の車による中心部の渋滞、排気ガスによる地球温暖化問題、厳しい経営状況の交通事業者・・・。





「公設民営バス」はさまざまな課題を解決してくれる可能性があるのです。国も後押ししてくれます。「公設民営バス」の可能性を探っていきたいですね。





トップ写真:現在松本市内を運行しているアルピコ交通株式会社の路線バス(提供筆者)




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