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仏、薬物使用による交通事故の行方

Japan In-depth / 2023年2月19日 11時0分

しかしながら、決定的にちがうのは死亡事故の原因の割合だ。フランスでも日本同様にスピード違反などによる安全運転違反での死亡事故は1位であるが、2位である28%を占める飲酒運転での死亡事故は、日本ではそこまで多くない(「令和3年中の道路交通事故の状況」では1%)。ましてやフランスでは約20%を占め死亡事故の原因の第3位に入っている麻薬に関係する死亡事故は、事故自体年々増加しているとはいえ、まだまだ日本ではかなり低い割合と言えるだろう。


もちろん、日本では薬物を厳しく取り締まっているという事情があることは間違いない。例えば、欧米では大麻を吸っても違法にならない国もあるが、日本での取り締まりはいまだに厳しい。フランスのデータによれば、大麻を吸っている場合、死亡事故の原因になるリスクが2倍上昇することがわかっており、もちろんフランスでも大麻を含む麻薬使用時の運転は禁止されている。それでもフランスでは、交通事故の5分の1は、薬物検査で陽性になった運転手が関係しており、週末の夜は事故の3分の1が薬物の影響を受けているという事実には驚かされるばかりだ。


週末の夜にコカインを摂取して起こしたパルマード氏の事故。まさにその3分の1の事例の一つである。フランスでよく起こる事故の一つと言えるかもしれない。社会的に名前が知られている人物の事故であるため、今後の薬物関連の事故の事例としてよく取り上げられる事件となるだろう。どのような判決が下されるのか見守られているところである。


<参考資料>


ピエール・パルマード氏の事故:コカインに「社会的」「政治的」な寛容さはないとオリヴィエ・ヴェラン氏が論評


交通安全:2022年のフランスでの死者数は3260人、自転車の死者数が増加


薬物と運転|交通安全


新しい交通安全キャンペーンは死亡事故の原因の大半を占める男性をターゲットにしている


内閣府:第2節 令和3年中の道路交通事故の状況


アルコールとホリデーシーズン:私たちは大切な人のために責任があるのか?


フランスにおける交通安全


トップ写真:グレヴァン美術館で開催されるミュリエル・ロビンとピエール・パルマード(右)の蝋人形の除幕式にて(2021年10月25日フランス・パリ)出典:Photo by Laurent Viteur/Getty Images


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