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中国の脅威への対処法 その7 ODA外交を反省せよ

Japan In-depth / 2023年2月19日 23時0分

翌年に「中国国防報」に載った論文は高速道路が(1)軍事基地や軍事空港との連結(2)砲弾やミサイルの被弾への強度(3)軍事管理への即時切り替え(4)軍用機の滑走路や軍用ヘリ発着場への即時転用——という要因を重視して設計される、と述べていた。この高速道路の建設に貢献したのが日本のODAだったのだ。


そして日本のODAが直接の軍事支援になった事例もあった。30億円で蘭州からチベットまで建設された3千キロの光ファイバーケーブルはすべて人民解放軍部隊によって敷設され、利用も軍専用となった。


日本は軍事産業の密集地域の貴州省にODA約700億円を供与した。鉄道、道路、電話網など、ほとんどが軍事と直結したインフラだった。


また台湾の李登輝総統が中国軍の集結した福建省の鉄道建設に日本がODAを提供したことに軍隊の戦力向上に直結すると苦情を述べたことも知られている。


こうみてくると日本の対中ODAは本来の目的とは正反対に覇権主義の軍事大国の中国の膨張に寄与したと総括せざるをえない。その中国が尖閣諸島の軍事奪取の構えなど日本への直接の脅威となったのだ。日本の半世紀の対中外交で最大部分だったこの経済援助の大失態は猛反省されるべきである。


(続く。つづく。その1、その2、その3、その4、その5、その6)


写真:中国・神仙と広州を結ぶ道路で建設中の高速道路。(中国 1994年1月1日)出典:Photo by ANDREW HOLBROOKE/Corbis via Getty Images)


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