1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

ペロリストとホリエモン オワコン列伝 その2

Japan In-depth / 2023年2月20日 12時22分

しかし、一連の事件のおかげで標的とされた製菓会社の株価は暴落し、犯人グループの真の目的は、株価操作にあったのではないか、という観測は事件直後から、これまた色々な人が開陳していた。ちなみに2000年に公訴時効となっている。


つまり、堀江氏はバイトテロや客の迷惑行為が、この事件の再来となることを危惧しているわけだ。


だから、そうした動きを牽制するためにも厳正に対処した方がよい、という話で、私もこの点は基本的に賛成である。


ネットの一部では、前述のようにスシローが被った損害が160億円であるとして、その全額が少年に請求されて「人生終了」となるのでは、という観測も流れているようだ。念の入ったことに、たとえ自己破産しても免責されない、との解説を加えたサイトまであった。


事実は「賠償金を理由に自己破産をすることはできないが、裁判所が賠償金を取り立ててくれるわけでもない」ということで、賠償請求した側が5年にわたって督促を続けなければ、時効を宣告して「合法的に」踏み倒すことも可能なのだ。これは制度設計の欠陥ではないかと、前々から問題視されている。


 


なにも知らないか、もしくはこの話の前半だけ聞きかじって動画を上げたのだろう。


 


その以前に、そもそも160億円も請求できると、なにを根拠に考えたのか。


複数の弁護士がコメントしているが、株価の下落と少年の行為との因果関係を立証することはまず不可能なので、時価総額の消失分をそのまま損害額と主張するのは無理がある。


しかも株価はその後上昇に転じ、この原稿を書いている16日の段階では、すでに事件前の水準を上回っている。


少年の行為によって、備品の廃棄や消毒、アクリル板の増設など、1000万円以上のコストが生じたようだが、これについても、やはり弁護士の見立てによれば、テクニカルには請求可能だろうが、法理論的には「改善」なのか「損害」なのかという議論が生じるだろう、ということらしい。


いずれにしても、現時点では、撮影した仲間ともども、今月中にも警察が書類送検する模様だと報じられるにとどまっているので、果たしてどのくらいのペナルティになるか、などという競馬の予想屋じみた議論に、私はなんの意味も見いだすことはできない。


ただ、前述のように今後のことも考えて、謝って済むことではない、と広く知らしめるためにも、法制度の中で厳正に対処する必要はあると考える。


その一方、少年や家族の個人情報を晒した上で「人生終了」を勝手に宣告するネット上でのリンチも、早急に規制されるべきだろう。


民事・刑事の両面で厳正に対処するというスシロー側の姿勢は支持するが、それ以降は純粋に警察や裁判所の仕事である。法制度の中で、との前提を付けたのは、そういう意味だ。


家族や学校(報道によれば、自主退学したそうだ)までも巻き込むネットリンチに加担して、正義の味方を気取る人は、いかなる意味においても、法治国家の一員にふさわしくない。


(つづく。その1)


トップ写真:回転ずし(イメージ)


出典:photo by image navi/Getty Images


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください