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フジテレビ終了説と韓流ブーム(上) オワコン列伝 その3

Japan In-depth / 2023年2月21日 7時0分

2007年には、福山雅治演じる大学教授が、柴崎コウ(第2シリーズでは吉高由里子)演じる刑事に協力して難事件を次々に解決する『ガリレオ』もヒットした。この2本は、劇場映画も公開されている。


個人的に好きなのは2003年に放送された『ビギナー』で、無名の新人をオーディションで登用するという、キー局ドラマの常識を覆した企画の結果、ミムラ(現・美村里江)が世に出た。前述の「トレンディ女優」たちとは一線を画した、おっとりしたキャラクターもよかったが、なにより司法研修所という、一般の社会人には縁遠い世界の青春(元キャリア官僚とか、リストラされた管理職などの、オッサンも混じっていたが笑)群像劇で、とにかく面白い。


『HERO』も検察の物語だが、こちらが「そんなアホな」という面白さであったのに対し、『ビギナー』の方は「ああ、なるほどね」という面白さがあった。


少し話が戻るが1997年には、火曜9時のドラマ枠からも大ヒット作が産み出された。


織田裕二主演の『踊る大捜査線』である。警察という組織の、ある意味で理不尽な権力構造を、時としてコミカルに、時としてシリアスに描いたもので、ドラマは1シーズンのみであったが、多くのスペシャル版から、内田有紀主演の『湾岸署婦警物語』などスピンオフ作品、さらには劇場映画も製作されている。


実際にこの頃、若手俳優やアイドルが、フジの月9に出演が決まったとなると、NHKの大河ドラマに出演するのと同じくらい箔が付く、などと言われていた。


ところが2011年夏、とんでもない騒動が起きる。


7月23日、俳優の高岡蒼輔(当時の芸名)が自身のツイッターに、「正直、お世話になった事も多々あるけど8は今マジで見ない。韓国のTV局かと思う事もしばしば。うちら日本人は日本の伝統番組求めてますけど、取り合えず韓国ネタ出て来たら消してます。ぐっばい」と投稿し、これが大炎上した。


私自身も、データを見て驚かされたのだが、フジテレビは2021年7月、実に39時間も韓流ドラマ等のエンターテインメントを放送している。NHKの4時間(1時間ドラマを週1回か?)、TBSの19時間と比較して、突出して多い。ちなみに日本テレビ、テレビ朝日はゼロであった。


これが一部の視聴者の目には「韓流ごり押し」と映ったのだろうが、さらにその背景を探ると、2002年のワールドカップ日韓大会以降、韓国のエンターテインメントが大挙日本に流入してきた反面、繰り返し「歴史問題」を持ち出す韓国に対する悪感情を隠そうともしない人たちが増えた、という問題に行き着く。


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