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フジテレビ終了説と韓流ブーム(上) オワコン列伝 その3

Japan In-depth / 2023年2月21日 7時0分

『マンガ嫌韓流』(山野車輪・著 普遊社)がAmazon 1位となるなど、大いに売れたのは2005年。そして、なんたる皮肉か、高岡は同年『パッチギ!』という映画で、日本人の高校空手部員らを片っ端からしばき倒す京都朝鮮高校の番長、イ・アンソン(李安成)を演じてスターダムに躍り出ている。


この映画も、嫌韓派の人たちから「出演者の大半が在日」などと叩かれたが、これは、どこに目をつけているのか、という話だ。在日朝鮮人のヒロインを演じたのが日仏ハーフの女優(沢尻エリカ)であったことだけ紹介すれば足りるだろう。


話を戻して、高岡蒼輔のツイートは賛否両論を巻き起こした。芸能界の反応は概して否定的・批判的で、彼は28日付で所属事務所(スターダストプロモーション)を解雇されている。


一方で、高岡がくだんのツイートをした直後から、フジテレビには抗議の電話が殺到し、やがてこれが、スポンサー企業への抗議電話、さらには不買運動にまで発展した。


さらには8月7日以降、フジテレビ本社前に繰り返しデモ活動(道路使用許可が下りず、ゲリラ的な集会にとどまった例もある)が行われ、海外メディアにまで注目された。


当初から、TV番組など「見ない自由」もあるわけだから、デモはいかがなものか、という声も多く、高岡自身、デモや不買運動には否定的なコメントを発信していたのだが、フジテレビ側も、


「番組編成は総合的かつ客観的に行われており、適切と考えている」(広報室のコメント)などと、木で鼻をくくったような対応ぶりで、これが火に油を注いだ面もあったようだ。


フジサンケイグループと言えば右寄り(と言って悪ければナショナリスト的)のイメージがあっただけに意外だ、との声も聞かれたが、エンターテインメントの事だから、右とか左とかは、あまり関係ないだろう。


その後、韓流ドラマは主として衛星放送のコンテンツとなっていったが、繰り返しヒット作が出て、第何次のブーム、といったことが言われている。


そもそも論から言うなら、前述のように「嫌なら見なければよい」で済む問題だから、デモを支持する気にはなれないが、フジテレビに責められるべき点がなかったかと言うと、それも少し違うように思う。


さらに言えば、この2011年を境に、フジテレビが民放の覇者の座から転落したことは、まぎれもない事実なのだ。


とどのつまり上層部が、自分たちはエンターテインメントの分野におけるトップランナーだという自負が昂じて、


「自分たちが面白いと思うものは、視聴者も必ず歓迎するはず」


といった、根拠のない自信にとりつかれていたのではないか。これはTV業界に限らず、ダメになる会社の典型的な姿なのだが。


どうして私がそのように考えるのか、ドラマ以外の番組や、伝えられる社内事情の話も含めて、詳細は次回。


(つづく。その1、その2)


トップ写真:フジテレビ本社(東京都・港区)出典:Photo by Carl Court/Getty Images


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