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問われる岸田外交の真価

Japan In-depth / 2023年2月22日 18時0分

岸田総理の裕子夫人がホストとなり、広島の名所旧跡などを巡ることが予想される。なお平成28年(2016)4月には、当時の岸田外務大臣の主催で、G7外相会合が同じく広島で開催された。その際の配偶者プログラムで裕子夫人は、厳島神社や広島平和記念公園に配偶者を案内している。


G7広島サミットが近づくころには、多くのメディアが、この華々しい外交イベントに注目することとなるだろう。外務省に設置されているG7広島サミット事務局では、筆者の元同僚らが、このサミットの成功に向けて、多くの努力を払っている。


ただし注意しなければならないのは、G7サミットが単発の外交イベントではないということだ。流れの中でサミットを位置づけることによって、より大局的に日本外交を捉えることができるだろう。G7サミットに向けた地ならしは、選挙シーズンの真っ只中でも予定されている。4月16日から18日に、軽井沢プリンスホテルで開催されるのが、G7外相会合だ。開催地選定の裏側には、日本有数の保養地である軽井沢で、腹合わせをじっくりと進めようという思惑があったといえよう。


国際政治の中で、現在とりわけ顕著となっているのが、「G7の復権」という流れである。直接的な契機は、ロシアによるウクライナ侵略だった。ロシアという権威主義国家が、核戦力による恫喝を交えつつ、隣国ウクライナを全面侵攻した衝撃は、世界の潮流を激変させた。ウクライナへの侵略戦争について共同して対処するため、G7の間での結束は、急速に高まりをみせている。


日本外交にとっても、G7のメンバー国との関係は、かつてなく重要となっている。アメリカとの日米同盟が、我が国の外交安全保障政策の基盤となっていることは、言を俟たない。加えて近年、特に重要性を増しているのが、アメリカ以外のG7メンバー国との連携だ。


こうした考え方が色濃く反映されたのが、令和4年(2021)12月に閣議決定された安全保障関連三文書だ。保守的な論調で知られるアメリカのウォールストリート・ジャーナル紙は、閣議決定直後の社説“The Sleeping Japanese Giant Awake”(眠れる巨人である日本の目覚め)で、新戦略と防衛費増額を「歴史的な変化」であるとし、「岸田文雄総理が政治的リスクを冒したことは、賞賛に値する」と論評した。


安保三文書中で筆者がとりわけ注目するのが、「同志国(like-minded country)」との関係強化を謳っている点だ。三文書の最上位に位置付けられている「国家安全保障戦略」では、「同盟国・同志国等と連携しつつ、ロシアによる国際社会の平和と安定及び繁栄を損なう行動を防ぐ」として、同志国との連携が、ロシアへの対処において重要であるとの認識が示されている。


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