ウクライナへの軍事支援に思う(上)オワコン列伝 その5
Japan In-depth / 2023年2月27日 18時0分
いまひとつの問題は、前述の財務省筋のコメントとは方向性が異なるものの、やはりコスト・パフォーマンスの問題は無視できない、ということ。
戦車は値段(=調達価格)が高いだけでなく、運用コストやメンテナンス・コストも大変で、限られた予算の中では、どこかにしわ寄せが来ることは避けがたい。
自衛隊の宿舎が老朽化しているとか、個人装備が世界水準に達していない、という問題を取り上げて、防衛費の増額を訴える根拠にするような記事が、マスメディアでは主流になりつつあるが、これまでの予算の使われ方をまともに検証せず、増税してでも防衛費の増額を、というのは、まったく感心しない。
戦車と並んで論議の的となっているのが、攻撃ヘリコプターだ。
対戦車ミサイルなどで武装したヘリだが、新たな防衛力整備計画においては、既存の武装ヘリコプターは廃止して、ドローンなどに置き換えるとしている。
これもウクライナでの戦いで、ロシア軍自慢の攻撃ヘリが、携帯用地対空ミサイルによって多数撃破されたことが影響しているらしい。
これについても戦車と同様のことが言えるので、またまた韓国を引き合いに出すと、既存の米国製ヘリの後継として、国産の新型ヘリを鋭意開発中である。
たしかにウクライナのような開けた地形では、航空機としては遅く飛ぶヘリは、容易に対空火器の餌食になりやすいのだが、山がちな朝鮮半島のような地形では、ゲリラの掃討から味方の救難まで、武装ヘリはまだまだ有用だという判断があり得るのだ。
次回、本当のオワコン兵器と言うか、禁じ手とするべき兵器について語りたい。
(つづく。その1、その2、その3、その4)
トップ写真:ベルギーの防衛会社OIPで大量に備蓄されている「レオパルト1」。同社はウクライナへの売却を望んでおり、複数の政府と交渉中としている。(2023年2月)出典:Photo by Thierry Monasse/Getty Images
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
NATOがエイブラムス戦車85両を含む機甲旅団をポーランドに配置、ロシアの動きを牽制
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月2日 14時54分
-
情報BOX:ウクライナに来月F16到着、戦況は変わるか
ロイター / 2024年6月28日 18時46分
-
プーチン氏の北朝鮮訪問は「悪の枢軸」結託の象徴 米外交の手詰まりを露呈
産経ニュース / 2024年6月19日 18時7分
-
アメリカ兵器でのロシア領内攻撃容認、プーチンの「最大最後の一線」を越えた?
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月5日 19時35分
-
対ウクライナ過去最大支援でもなおロシア軍予算に届かず 米議会、迷走の末承認の緊急予算、長期的支援模索の動きも
47NEWS / 2024年6月5日 10時0分
ランキング
-
1奈良・十津川村で土砂崩れ 国道寸断、17世帯20人が孤立
毎日新聞 / 2024年7月1日 21時50分
-
2国会議員の所得、「ポスト岸田」候補では河野デジタル相がトップ…小泉進次郎氏「雑所得」で最多
読売新聞 / 2024年7月1日 18時13分
-
3「人生壊された」 パワハラで防衛技官3人が国を提訴 広島地裁
毎日新聞 / 2024年7月1日 19時15分
-
4米軍人の性犯罪5件が非公表、沖縄県警の刑事部長「本部長以下幹部で判断」…プライバシー保護など理由
読売新聞 / 2024年7月1日 22時56分
-
5「スマホ落とした」と新幹線の線路に立ち入り容疑、僧侶を書類送検…乗客1・4万人に影響
読売新聞 / 2024年7月2日 8時49分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)