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ウクライナへの軍事支援に思う(下)オワコン列伝 その6

Japan In-depth / 2023年2月28日 11時0分

 国内でも、備蓄していた弾薬(砲弾やミサイル)が大量にウクライナ支援に回されたことから、近年大規模な紛争がなかったがために休眠していた製造ラインが、一斉に息を吹き返し、当然ながら雇用も増えている。


 前回、戦車がオワコン兵器か否かという話題にこだわって紙数を割いたのも、話がここにつながるからで、最新の戦車と言っても多くは開発されてから20年前後を経ており、そろそろ更新すべき時期に来ていた。


 一方どこの国でも、軍事予算の増大は国民の支持を得にくいもので、湯水のように金を使うイメージのある米銀でさえ、その例外ではない。


 ところがそこに「ロシアの脅威」が、これ以上ない形で国民の目に焼きつけられ、日本を含めて、軍備拡大のためにもっと金を使うべきだ、とのコンセンサスが出来上がりつつある。


 日本ではまた、G7(先進7カ国首脳会議)参加国の大統領・首相でキーウを訪問していないのは岸田首相だけだ、などという声まで聞かれる。


 行ってなにをすべきか、なにができるのか、という視点を欠落させたまま「世界の大勢」を語る姿勢もまた、もはや時代錯誤と断じるべきではないか。いっそのことキーウではなくモスクワに乗り込んで、


「唯一の被爆国である日本としては、核による威嚇など断じて容認できない」


 と、プーチン相手に啖呵を切れるのなら、話は別だが。


 戦争で利益を得る人たちがいる限り、この世から戦争がなくなることはない。


 これを「世界の現実」と受け取るのではなく、そうした発想自体がもはやオワコンなのだと、一人でも多くの人が、一日でも早く気づくこと。


 これこそが、戦争で犠牲になったウクライナとロシアの人たちに、本当の意味で報いる唯一の道であろう。


(つづく。その1、その2、その3、その4、その5)


トップ写真:2023年2月 ウクライナ南部ドンバス地域で発射されるロケット


出典:Photo by Scott Peterson/Getty Images


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