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中国の脅威への対処法 その10(最終回)現実を直視せよ

Japan In-depth / 2023年3月1日 18時0分

だがいまやそうした偏見もだいぶ減ってきた。数多くの日本国民が中国の持つ危険性、敵性に気がついてきた結果だろう。





中華人民共和国とは日本にとってどんな国家なのか。日本をどうみているのか。日本との関係をこれからどうしようと意図しているのか。これらの諸点を中心に中国という現実を正確に認識しなければならない。





その現実認識こそが中国の脅威への対処の第一歩であり、究極でもあるといえよう。





では最後に中国の対日姿勢の特徴をまとめてみよう。その特徴を現実として直視せねばならない、という意味をこめて、である。





第1は、中国は日本とは異なる国際秩序を求めている点である。つまり日本の求める国際秩序を否定しているのだ。





第2次世界大戦後のアメリカ主導の国際秩序を日本は尊重し、その一員となってきた。だが中国はいまや明らかにアメリカ主導とは異なる国際秩序の構築を宣言するにいたった。





第2には、中国は日本の国家安全保障の根幹を否定している点である。つまり日本の防衛のあり方を否定しているのだ。





日本は自国の安全保障を日米安全保障条約に基づく日米同盟に委ねている。だが中国はその日米同盟に反対し、米軍のアジア撤退を求める。中国の安保政策は日本の安保政策と正面衝突するのだ。





第3は、中国が日本の民主主義や人権尊重、法の支配に基づく統治を否定している点である。つまり共産主義、社会主義に基づく共産党政権の一党独裁を最善とするのだ。





中国は社会の法の支配や個人の自由などを尊重しない。つまり日本側の普遍的な価値観を否定するのである。





第4には、中国は「抗日」という反日志向を共産党独裁の正統性として保持している点である。中国共産党こそが邪悪な軍国主義の日本を打倒した正義の存在だと宣言する。





中国共産党こそが日本を倒して全人民を解放したと強調し、その邪悪な日本は過去の罪を反省していない、と断じる。自国民には日本の戦時の軍事侵略のみを教え、戦後の平和志向を教えない。





第5には、中国は長期には日本を自国の影響圏内におこうとしている点である。日本固有の領土の尖閣諸島の軍事占領を目指し、沖縄の日本の主権を認めない。





日本に対しては、「小日本」として日本の中国への従属性を一般化する風潮を共産党政権があおってきたのだ。





以上の中国の対日政策の基本は数十年、揺らいでいない。つまりは現実なのである。日本側はまずこの現実を直視して、そのうえで中国への中期、長期にわたる対処の方法を考えるべきだ。





(終わり。その1,その2,その3,その4,その5,その6,その7,その8,その9 全10回)





トップ写真:旧正月に大阪を観光する多くの中国人観光客(2018/2/18 大阪心斎橋)出典:Photo by Zhizhao Wu/Getty Images




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