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北朝鮮の核挑発露骨化で緊張高まる朝鮮半島

Japan In-depth / 2023年3月6日 13時0分

今回の訓練で特に目を引くのは、最新鋭ガンシップ(gunship) AC-130Jが初めて登場した点だ。「ゴーストライダー」とも呼ばれるこの軍用機は、輸送機を改造して「空中戦艦」のような任務を遂行する。30ミリ機関砲、105ミリ曲射砲だけでなく、忍者兵器と言われるAGM-114(ヘルファイア)のような精密誘導武器などを搭載し、事実上、空中砲台の役割を果たす。防空砲の射程距離を超える3キロ以上の上空を飛行し、砲弾を雨のように落とす。


韓国の金承謙(キム・スンギョム)合同参謀議長は2月27日、訓練現場を点検しながら「露骨になっている北の挑発に対応し、いかなる任務が付与されても敵に致命的な被害を負わせ、状況を勝利で終結させることができる能力を備えるべき」と強調した 。


 2月28日にはゲリラ戦に特化し、米陸軍特殊部隊「グリーン・ベレー」が潜水装備を着用して訓練する様子も公開された。グリーン・ベレーは群山沖のある無人島で、北朝鮮の指揮部を除去して主要施設を破壊する実射撃訓練「チークナイフ」を実施した。韓国軍からは、「斬首部隊」と呼ばれる特戦司第13空輸旅団が参加した。


 斬首作戦が行われる場合、米軍のティア1(Tier 1)級特殊部隊が投入され、グリーン・ベレーと(韓国軍の)特戦司は地上から、AC130Jは空中からの火力支援を受け持つものと思われる。1990年代から毎年行われているチークナイフ訓練は、文在寅政権の5年間、たった1回しか公開されなかった。


 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後の昨年9月に続き、わずか半年で再び訓練を公開したことは、挑発の度数を高めている北朝鮮に向けた警告メッセージだと見られる。それとともに、北朝鮮に消耗戦を仕掛け、金正恩体制を揺さぶる狙いもありそうだ。


写真:「23 Freedom Shield」軍事演習を前に記者説明会を開催した韓国とアメリカ。韓国 ソウル 2023年3月3日


出典:Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images


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