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3.11から12年、「風化」を止めるために

Japan In-depth / 2023年3月11日 23時4分

こうしたエピソードを話したところ、大学生は「そんな話、初めて聞いた」と驚きの声をあげた。私は「親から聞かなかったの?」と聞いたが、全く聞いたことがないのか、聞きはしたが当時小学生だったから理解できなかったのか、判然とはしなかった。





その時感じたのは、やはり災害や事件は風化するものだということだ。いくら新聞・テレビが年に一回、特集を組んだり、特番を放送したりしても一過性のことだ。





人は忘却の生き物だ。嫌なことは忘れるようになっている。しかし、世の中には忘れてはいけないことがある。新海誠監督が制作している映画のテーマの一つも「災害」だろう。





メディアに期待したいところだが、それは無理というものだろう。時間が経てば経つほど、現場の記者もどんどん世代交代し、震災未経験者が増えていく。彼ら自身の中で震災が風化しているのだから、彼らに言霊を期待する方が無理というものだ。





震災から12年たった今、改めて思う。





私はあの震災を経験した人たちが、次世代の人たちに語り継ぐことでしか風化は止められないと思う。私たちの子ども、孫、その先の世代が再び悲しい思いをしないために。私たちに出来ることはあるはずだ。それを考える日にしたい。そう思った。





(了)





トップ写真:東京電力福島第一原子力発電所(2011年11月12日)出典:Photo by noboru hashimoto/Corbis via Getty Images




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