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空き校舎問題③解体費に交付税措置なし 巨額の借金、説明責任はどこに「高岡発ニッポン再興」その61

Japan In-depth / 2023年3月22日 23時0分

空き校舎問題③解体費に交付税措置なし 巨額の借金、説明責任はどこに「高岡発ニッポン再興」その61


出町譲(高岡市議会議員・作家)





 


【まとめ】





・交付税措置があるのは現在の校舎を解体し新校舎を作る場合のみ。別の場所に建てる場合、解体費に交付税措置なし。





・高岡市は、解体費に交付税措置がないことを認識していたにもかかわらず説明していなかった。





・交付税措置の有無、当局から持ち出さないのは説明責任を果たしていない。









小中学校の再編に伴って巨額の整備費が必要になってきます。去年10月に、高岡市では6つの中学校区で合わせて総事業費は235億円と試算しました。解体と建設を合わせた費用です。「モッタイナイ」や「SDGs」の時代とは真逆の「スクラップ&ビルド」の方針なのです。私は、解体や建設をすべて反対するわけではありませんが、少なくとも情報公開を徹底する必要があります。





小中学校の再編の整備費については、大半が起債、つまり、借金です。つまり、将来世代へ重くのしかかるお金です。人口が減っていけば、一人当たりの借金が増えます。そんな将来世代のことを思っても、情報公開を徹底して、政策を判断すべきなのです。





高岡市は、その借金の内訳も明らかにしました。建設工事で124億円、解体工事で70億円としています。解体費のウェートは大きいですね。軽視できない額だと、改めてわかりました。





高岡市では学校再編にあたり、有利な地方債、公共施設等適性管理推進事業債(通称、公適債)を活用しています。そしてその有利な地方債では、交付税措置があるとしていました。交付税措置、つまり、あとで国からお金が戻ってくる仕組みです。そのため、解体や売却しなければならないというのが高岡市の言い分でした。





私はてっきり、解体費にも交付税措置があるのかと思っていました。それなら、財政の面では、解体も仕方ないのかなと思いました。国の制度があるなら、壊すのは今がチャンスかもしれない。財政に詳しい先輩市議も、「公適債の特徴は、解体費に交付税措置があることです」と私に教えてくれました。





実際、去年10月11日開かれた行財政改革特別委員会では、「解体費も含めた事業経費を対象とした試算になっているのか」という質問に対して、教育長は「現在、再編計画で予定している中学校区については、解体費にも公適債を活用した見込みの金額として提示している」と答弁。





その上で、「公適債については、市の負担分に対して90%起債を発行できる」と明言していました。市の負担分というのは、建設工事と解体工事とも解釈できます。





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