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尹・岸田首脳会談の歴史的意義

Japan In-depth / 2023年3月24日 11時0分

続いて20日には、「戦術核攻撃任務遂行のプロセスに熟練するための総合戦術訓練」を18、19両日に行った。18日に手続き確認の訓練、19日に弾道ミサイル発射訓練を行い、日本海(東海)への短距離弾道ミサイル発射した。





朝鮮中央通信はこの挑発について、金正恩が立ち会い「実際に敵に攻撃を加えられる手段として、いつでも敵が恐れるように迅速、正確に稼働できる核攻撃態勢を完備してこそ、戦争抑止の重大な戦略的使命を果たすことができる」と強調したと報道した。弾頭部の核爆発調整装置と起爆装置の動作を確認し、800キロの飛距離に設定された日本海上の目標上空800で正確に空中爆発させたという。22日午前にも、北朝鮮は、日本海(東海)に向けて巡航ミサイル数発を発射した。





しかし強対強の対立局面が続く状況で、「核・ミサイル威嚇」のほかはこれといって出せるカードがない金正恩の悩み深まっている。





斬首作戦におびえる金正恩





日増しに高まる北朝鮮のこうした露骨な核脅迫は、2019年の米朝ハノイ首脳会談以降、コロナウイルス災害、国内経済の衰退、特には農業の苦境と食糧難の深刻化、そして韓国における尹錫悦政権の登場による米韓同盟の強化などによって、主導権を失った金正恩の窮状の裏返しといえる。





韓国で伊政権が登場した後、韓米同盟は急速に強化され、米韓合同軍事演習は復活強化された。今年も3月13日から23日まで米韓合同軍事演習「自由の盾(フリーダムシールド)」が実施され、北朝鮮の地下坑道をそのまま再現したトンネルで、北朝鮮の核物質を除去する訓練も行われた。





20日からは「フリーダムシールド」の一環として、来月3日まで、約1万3千人の兵力と米国のワスプ級の強襲揚陸艦「マーキン・アイランド」(LHD-4万2千トン)などが参加する大規模合同上陸訓練「双龍訓練」も実施されている。





その一方で、金正恩がミサイル兆発を行うごとに、米国の戦略資産が金正恩を圧迫している。3月19日に北朝鮮が短距離弾道ミサイルを発射した直後にも、それを予知していた米軍は、B1B2機を朝鮮半島に飛来させ、日本海(東海)で自衛隊のF16戦闘機4機と合同訓練を繰り広げ、韓国軍ともF35ステルス戦闘機4機と合同訓練を行った。この時B1Bは2回の給油を受けるほど重武装していたという。





特にこのところ精密・高度化されている米韓特殊部隊による「斬首作戦」は、その様子が度々公開され、金正恩に対する大きなプレッシヤーを与えている。最近は「ゴーストライダー」と言われているガンシップ(AC-130J)まで「斬首作戦」に登場した。





斬首作戦に必要な金正恩の生体情報は、すでに米朝首脳会談過程でほとんど把握されている。今や金正恩の一挙手一投足は、米軍の偵察兵器によって補足されていると見てよいだろう。そして要人暗殺に度々使用されているMQ9リーパー(無人偵察・攻撃機)は、韓国に配備済みだ。金正恩が、娘のキム・ジュエを連れて歩くのは、リーパーから発射される「ヘルファイヤーミサイル(要人暗殺用忍者ミサイル)に対する防護用(米軍は子供の殺害を避ける)ではないかとの情報もある。





トップ写真:2023年3月16日、首相官邸での共同記者会見で握手する韓国の尹錫悦大統領(左)と日本の岸田文雄首相(右)出典:Photo by Kiyoshi Ota - Pool/Getty Images




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