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自給率よりフードロスが問題(上)今こそ「NO政」と決別を その3

Japan In-depth / 2023年3月25日 12時20分

具体例として、まず思い浮かぶのは牛乳だが、これについては項を改めよう。





ここでもうひとつ、どうしても見ておかねばならないのは、酒類が食糧としてカウントされない反面、市場に供された食料は、たとえ消費されなくとも、その資産額が統計に組み込まれている、ということだ。





早い話が、全国で消費される食料のうち、国産が占める割合がどの程度か、という議論とはまた別に、生産されても消費されない食料品=フードロスの問題に、もう少し着目すべきではないか。





もちろん、個人レベルの嗜好はまったく自由であるし、給食を食べ残す児童・生徒に、





「アフリカの飢えた子供達のことを考えてみろ」





などと説教するのは、噴飯物である。最近は、そういうセンセイも減ったようだが。





ただ、前回も述べた、世界的な食糧危機の可能性というのは、人口増加だけが原因だとするのは早計で、分配の不平等という問題にも、もう少し着目する必要がある。





農水省では、フードロスでなく「食品ロス」と読んでいるが、まあ、それはどちらでもよいとして、統計によれば、20209(令和2)年に全国で生じた食品ロスは552万トン。





国民一人あたりだと年間41キログラムで、ざっくり言うと毎日茶碗一杯分のご飯が捨てられている、ということらしい。





実はここに、わが国の食糧自給率と世界的な食糧危機、両方に対応できる鍵があるかも知れないのだ。





次回、いま少し詳しく考察してみたい。





(つづく。その1、その2)





トップ写真:バンコクのフリーマーケットで食べ物を撮影する観光客のアジア人カップル。カオサンロード(イメージ)出典:staticnak1983/Getty Images




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