タイ5月に総選挙 政権交代が焦点
Japan In-depth / 2023年3月27日 18時0分
このため総選挙では「タイ貢献党」が圧勝し、ペートンタンさんが次期首相になる公算が今のところ高くなっている。
★軍との対決、与党分裂で野党有利に
「タイ貢献党」はタイ東北部の貧困農村の救済にペートンタンさんの父であるタクシン元首相(在職2001年から2006年)、叔母に当たるインラック・シナワット元首相(在職2011年から2014年)が重点的に取り組んだことから根強い支持が続いていることを背景に同党は次期総選挙での予想獲得議席をこれまでの250議席から310議
席に上方修正し、単独での過半数確保を狙っている。
タクシン元首相と妹のインラック元首相はいずれも軍によるクーデターで政権を打倒されており、特にインラック元首相から2014年に政権を奪ったのが現在のプラユット首相だけに軍を巻き込んだ与野党の対決は激しいものになることは間違いないとみられている。
プラユット首相は前回2019年の総選挙で最多議席となる136犠牲を獲得した「タイ貢献党」に対して軍を支持する「国民国家の力党」を中心に多数派工作で政権を成立させた経緯がある。
こうしたことから多数政党による与党内は必ずしも一枚岩ではない状況が続き、プラユット首相は選挙をにらんで新党「タイ国家建設合同党」を立ち上げ、自ら次期首相候補として名乗りをあげている。
プラユット首相と袖を分かった形となった与党の「国民国家の党」は次期首相候補としてプラユット首相と同じ軍出身のプラウィット副首相を擁立するとみられ、こうした与党の分裂も野党優勢の追い風となっているとの見方が有力だ。
★課題が多い次期政権
4月3日から7,8日にかけて小選挙区、比例代表の立候補者、次期首相候補者の受け付けが選管で行われ、その後本格的な選挙戦が繰り広げられるが選挙戦の争点、次期政権が直面する課題は多くそして重い。
まず実質的な軍事政権であるプラユット政権は頻発した学生などによる民主化要求のデモや集会を強権的に封殺し、タイではタブーとされる王室改革要求の運動も抑え込んできただけに民主化、王室への国民の要求にどう応えるか。
さらにコロナ渦で疲弊した国内経済の回復立て直し、融和的な姿勢で東南アジア諸国連合(ASEAN)の結束を乱してきたミャンマー問題への対応、中国の経済援助・インフラ投資のさらなる促進・誘致、タイ深南部のイスラム教テロ組織との武力対決など山積している。
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