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タイ5月に総選挙 政権交代が焦点

Japan In-depth / 2023年3月27日 18時0分

 2022年5月に実施された首都バンコクの都知事選ではタクシン派の無所属で立候補したチャチャート・シティパン元運輸相が過去最高の138万票余りを獲得して当選を果たした。同都知事選に再選を目指して出馬した親軍派アサウィン・クワウムアン前都知事はわずか21万票で5位に沈んだ。


 バンコクの人々は変化を求める傾向が強いとされ、大票田の首都そして東北部の農村地帯で圧倒的に人気を集めている野党そして野党が推すペートンタンさんが次期総選挙の台風の目になることは確実で、2014年以来の民主的政権の誕生が期待されている。


 汚職などの罪で訴追を受け2006年から海外に逃亡中のタクシン元首相は3月24日に訪問中の東京で共同通信や日本経済新聞のインタビューに応え「タイ貢献党は310議席を獲得する可能性があり、そうなればタイに帰国して罪を償うため服役する用意がある」と帰国の意思を示した上で「タイは全面的に民政移管を果たすべきだ」と期待を示した。


 ただタイの政治史ではこれまで1976年、1977年、1981年、1985年、1991年、2006年、2014年と未遂を含めて多くの軍によるクーデターで政権が転覆されてきた負の歴史がある。


 それだけに次期総選挙で軍が支持するプラユット政権が敗北して政権交代が実現し、ペートンタンさんによる民主政権が誕生したとしても反発する軍が再びクーデターで政権を奪取する可能性もゼロではない。


 ペートンタンさんの父タクシン元首相、叔母のインラック元首相のいずれも軍のクーデターで政権を追われているのだから、「歴史は繰り返す」となる懸念も完全に拭い去ることはできないのだ。


トップ写真:タクシン・シナワット元首相の次女ぺートンタン・ウン・イング・シナワット氏。(2023年3月24日、タイ・バンコク)


出典:Photo by Sirachai Arunrugstichai/Getty Images


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