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習主席の訪ロと北京による中東の“仲介”

Japan In-depth / 2023年3月27日 23時0分

 “戦争記念日”の2月24日、ゼレンスキー大統領は北京に対し、和平交渉の首脳会議に参加するよう呼びかけた。他方、3月16日、中国の秦剛外相はウクライナのクレバ外相と会談した。その際、戦争に対する中国の立場は依然、客観的かつ公平であり、和平交渉を促進することに尽力していると主張した。ある識者は「もし、中国が国際的信用を得たいのであれば、早晩、習主席はゼレンスキー大統領と対話する必要があるだろう」と語っている。


 話は前後するが、3月10日、中国の仲介で、イランとサウジアラビアが関係修復を図ることになった(h)。これは、習近平主席が新たなレベルの目標追求を意味するものだったのではないだろうか。


 「中国偵察気球事件」等で米中対立が激化する中、習主席は、世界的な政治家としての知名度を上げようとしている意図が見える。主席が「ゼロ・コロナ政策」で、中国内外で不評を買ったからである。


 ところで、習政権はイランを戦略的に重要視している。イランが中国と同じ考えを持つ西側諸国への批判者だからではないか。また、同国は豊富な天然資源、戦略的な国境、戦闘力の高い軍隊、中国同様、古い文明を持つ。


 他方、中東の安定も北京の関心事である。中国の原油輸入の40%以上はこの地域からもたらされている。さらに、湾岸諸国は「一帯一路」の重要な拠点であり、中国の消費財や技術輸出の主要市場となっている。


 だが、一部には「サウジとイランは、かなり以前から国交回復について議論してきた。だから、北京が一夜にして仲介したものではない。したがって、中国の役割は、見た目ほど重要ではない」という見方もある。


〔注〕


(a)『中華人民共和国中央人民政府』


「中ロ関係を円滑にし、世界に安定をもたらすため―習近平主席のロシア公式訪問に寄せて」


(2023年3月18日付)


(http://www.gov.cn/xinwen/2023-03/18/content_5747314.htm)。


(b)『中華人民共和国中央人民政府』


「中ロ首脳が共同声明に署名、和平交渉によるウクライナ危機の解決を強調」


(2023年3月22日付)


(http://www.gov.cn/xinwen/2023-03/22/content_5747721.htm)。


(c)『外交部』


「ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場」


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