1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

自給率よりフードロスが問題だ(下)今こそ「NO政」と決別を その4

Japan In-depth / 2023年3月29日 11時0分

このような企業努力は、間違いなく賞賛に値するが、同時に、どうしてもっと早く、全国規模でこうした取り組みがなされなかったのか、という感想も抱いた。





これは端的な一例で、前述のように年間522万トンにものぼる、わが国のフードロスだが、その内訳を見ると、家庭から出る物が47%、対して事業系のそれが57%となっている。ほぼ半々だ。さらに詳細な内訳を見ると、食品製造業が23%と最も多く、外食産業の16%がこれに続く。あとは即品小売業11%、食品卸業は2%である。





これは簡単な話で、先ほど弁当屋製造会社を例に取ったが、惣菜の「きんぴらゴボウ」ひとつ作るに際しても、ゴボウと人参の皮、人参のヘタ(葉が付いている場合もある)などはゴミになってしまう。外食産業の場合は、調理ゴミと残飯の両方を処理しなければならない。





繰り返し述べるが、これらを飼料や肥料として活用すれば、地球環境にも消費者の財布にも優しい、という結果が期待できるのだ。





シリーズの最初に取り上げた食用コオロギにせよ、まだまだわが国では、昆虫食を採用すべき、というコンセンサスが得られていないことが、問題の本質なのであるから、とりあえずはニワトリの餌にするのも一案ではないだろうか。





足りない物は外国から買えばよい、余った物は捨ててしまえ、という考え方を捨てて、





「食べ物は、材料からゴミまで粗末にしない」





という発想に基づいた政策転換を行うことこそ、農家と都会の消費者、双方の利益に叶う食糧政策の基礎なのである。





 





*前回掲載された原稿の中で、白米100グラムが130カロリーに対し、牛肉100グラムは「98カロリーと倍以上」とありましたが、これは「298カロリーと倍以上」の誤りでした。お詫びして訂正させていただきます。尚この数値は、国産牛と輸入牛、さらには部位によって微妙に異なります。説明不足を重ねてお詫び申し上げます。





(その1、その2、その3)





トップ写真:牛丼(イメージ)出典:Photo by Koichi Kamoshida/Getty Images




この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください