大阪~アップデートするべきものは知事選の公約! 【統一地方選特集その1】
Japan In-depth / 2023年4月2日 19時8分
・エッセンシャルワーカー・ケアワーカーの処遇改善、中小企業の賃上げ支援で賃金の上がる大阪をめざす。
・育児・介護・ヤングケアラーの総合相談窓口を設置する。
・社会的弱者の目線からのまちづくりをすすめる
これらの「公約」からは、多様性や支え合いの関係性、社会的弱者への配慮、共生の思想が底流に流れていることがわかる。
女性目線で新たな風を吹き込んでくれそうな期待感を醸成したものとなっている。「ごきげんさんで、ふくよかな、おおさかを作りたい」という心に届くキャッチフレーズ、優しい言葉、伝えようとする姿勢などなど。文体も非常にわかりやすく、優しい言葉使いで暖かさを感じる。素晴らしい。
□公約分析によると・・・
しかし、専門家としてアップデートおおさかの「政策」と谷口氏の公約を見てみると3つの特徴がある。
第一に、イメージ先行であること。政策の基本すらみえなく、「お題目」のような文言が並ぶ。抽象的なふわっとした話がほとんどで、具体性がない。具体性を出せば、優先順位が明確になるものの、そこは残念である。「教職員の負担を減らす」と公約にあるが、「どのように?」「どうやって?」と突っ込んでしまったくらいである。政策トピックとしてはここ10年くらいの重要課題であり、文科省や各自治体が色々取り組んできたこと、DXやEDテック、GIGAスクール構想などの取り組みを踏まえるとあまりに簡易である。
「大阪を、環境・社会・企業ガバナンスにおいて世界水準を超えるESG先進都市に。」とあるが、ESGも様々である。環境だけでも、気候変動、エネルギー、生物多様性、大気、廃棄物など様々な問題が絡み合うのに、どこに重点を置くのか見えない。
「先進都市」の定義はなにか。そして、SDGsのほうが言葉としては府民に浸透する中であえてESGを使った理由などもよくわからない。
第二に、問題解決の視点が薄いこと。大阪府の問題は何なのか?と言ったら経済に尽きるだろう。たしかに、谷口さんが主張するようにインバウンド頼みの経済になっているという意味で、問題意識は良いと思う。しかし、それではどうやって経済を再生していくか?という視点が欲しいところだ。(IRを批判するなら)IRの代わりに起爆剤になるような「新産業」を提示する責任はあるだろう。代案ってやつだ。
・・・・をめざす。
・・・・を構築する。
・・・・を設置する。
制度を構築し、設置し、何かを目指す、それはわかる。しかし、政策というものは、制度を構築し・組織を設置すればすぐにできるものではない。事前調査、企画立案、査定、実施にむけた方向性を示したうえでしっかりとマネジメント・運用していく、そして政策検証をする。こうした行政経営の基本手法が踏襲されてないし、府庁が実施している各計画・各政策・各施策・各事務事業を踏まえた「対案」にすらなっていない。
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