「しがらみ」と「馴れ合い」政治から決別・・・投票率を上げよう「高岡発ニッポン再興」その66
Japan In-depth / 2023年4月6日 7時0分
出町譲(高岡市議会議員・作家)
【まとめ】
・現在統一地方選挙の真っ只中、4月9日は投開票日。
・ある元県議は、政治家と支援者の持ちつ持たれつの関係は「不徳の共有」と新聞に投稿。
・政治の不徳を正すためにも投票率を向上させることが必要。
統一地方選挙の真っ只中、今月3日付の日本経済新聞に、松島完さんという高校教師(元地方議員)が投稿していました。この方は元長崎県議。この文章を読み、私は膝を打ちました。
コラムは「不徳の共有に波紋を起こそう」というタイトルですが、投票率のアップを呼び掛けています。まずは、生々しい記述がされています。
―我が子を公務員にしたい。我が社のために公共事業を受注したい。「何とかなりませんか」と言われると、体内がコンクリートになった気がした。県議としての11年間でたくさんの相談と向き合った。もちろん、違法行為はできない。だが、クロに近い口利きを依頼されたことは一度や二度ではない。
私は市議になって1年半。一度もそんな依頼を受けていませんが、長く県議をやると、いろいろな口利きの誘いがあるようですね。
松島さんはその上で、こう指摘します。
―法は、単純にシロかクロかで割り切れない面がある。自身の欲を満たしたい支援者と、票が欲しい政治家が、灰色の湯につかる。政治家を灰色の不徳の湯に案内するのは政治家ではない。支援者なのである。
こうした政治家と支援者の持ちつ持たれつの関係を、松島さんは「政治の不徳」「不徳の共有」と表現しています。
こうした地方政治は珍しいことではないようです。元鳥取県知事の片山善博さんは、著書「片山善博の自治体自立塾」(日本経済新聞出版社)で、知事就任直後、県議会議員の「口利き」の実態を伝えています。
県会議員が次々に知事室を訪ね、県職員採用試験受験者の名前が書いてある紙を手渡し、「よろしく」と言ってきました。人事課長によれば、「それなりの配慮」をしていたと言います。
その後、片山さんは他の部局に聞いてみると、県会議員の口利きや働きかけは多くありました。土木建設業者の格付けだったり、社会福祉法人向けの補助金だったり。「それなりの配慮」がなされていたようです。
そこで、片山さんは、口利き退治に乗り出しました。口利き案件の処理方法を決めたのです。具体的には、持ち込まれた場合、パソコン上で、文書化します。そして、その文書については、庁内ネットを通じて、上司に報告します。情報公開請求がされれば、その文書は公開の対象になります。
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