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大阪市長選に出てきた維新の若手実力派? 【統一地方選特集その2】

Japan In-depth / 2023年4月8日 22時17分

 


□横山さんの公約とは?


さて政策はどういった点を主張しているのか。2つの柱は財政改革と成長戦略ということで、維新の伝統を引き継いでいる。


第一に、「行政改革」の旗を改めて明確にしていること。事務の共同実施による効率化、ごみ処理や上下水道、消防、港湾などにおける近隣各市で共同実施することで、行政コストを圧縮すること、などはさすがと言える。


第二に、経済政策。「成長」と言うだけあって、淀川左岸線延伸、なにわ筋線などの交通インフラ整備や港湾機能の再整理、万博跡地のインフラなど経済活動を支えるインフラに着目している。古いインフラが多いことを踏まえたものになっていると言える。また、大阪「らしさ」を活かした観光戦略・「宿泊・エンタメ」拠点としての可能性を提起している。


第三に、ウェルビーイングなど新しい視点である。ヤングケアラー、子どもの貧困、重大な児童虐待事案などにも言及するなど、維新と相性がいいわけではない「福祉政策」にも最大限配慮してる。さすが政権を担ってきただけあって、行政改革だけの政策になっていない。さらに、言いたいことを絞っており、優先順位も明確化されていて、わかりやすい。また、ブログでの大阪市政の取組みについての意見を見ていると理解力が深いことがわかる。


あえて言うことは2点ある。第一に、経済政策。IRをどう進めていくのか、どう経済発展につなげるのかが残念ながら、見えない。世論調査でIRへの支持が不支持を上回った中、もっと胸を張ってIRの可能性や経済効果をアピールしても良かったのではと思う。また、経済インフラは整えるが、どのように起業やイノベーションを促していくのか、大阪のデジタルの活用や創造性についての言及があるとよかっただろう。


第二に、将来的な大きな絵、ビジョンが見えない。「命輝く未来社会のデザイン」をテーマとする万博の後に、その万博での健康寿命の延伸を図り、ヘルスケア産業などをどう発展させ、住民の健康とウェルビーイングに貢献していくのかまで昇華させてほしかった。ウェルビーイングという価値観をもとに新たな理念を打ち立て、「こんな大阪市にしたい」というイメージをプレゼンして欲しかったというのは期待しすぎか。「商人のまち」「東洋のマンチェスター」から「副首都」なのか。東京一極集中を緩和し、新たな価値・サービスを創造する都市として、アジアやグローバルを見据えて、魅力とらしさを明確にし、どう発展していくのか、あるべき「大阪らしさあふれる未来」像を語れる能力はあると思われる。


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