信頼を築け「新入社員に贈る言葉」その7
Japan In-depth / 2023年4月9日 18時0分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・時間にルーズな人をよく見かける。
・信頼は時間をかけて築くもの。失うのは一瞬。
・遅刻しない、言われたことはまっとうする。当たり前のことを守ることが信頼への第一歩。
新入社員の皆さんは期待に胸を膨らませ、配属されたところはどんな職場なのだろう、どんな楽しい仕事が待っているのだろう、などと胸を膨らませていることだろう。
街でつるんでいるフレッシュなビジネスパーソンを見ると、微笑ましく、そしてこっちまでなにかウキウキして、ノスタルジックな気分に浸ってしまう。
ここ10年間、私の会社のインターンの学生そして、教鞭を取っている大学の学生を見てきた感想を述べると、のびのびと素直に育っており、ものおじしない性格で、自由な発想をする人が多い印象を持つ。
かなり大雑把な印象だし、無論そんなもの人によるだろう、と思う人もいるだろうが、少なくとも私の接している学生たちはそうなのだ。
それはとてもいいことだし、昨今の教育の賜物かもしれない。また、少子化のせいか、一人っ子も多いので、とても大切に育てられたのだろうな、と感じることが多い。それが「素直」や「のびのび」といった印象につながっているのかもしれない。
さて、誉めそやしておいて落とすのもなんだが、そうした性格のせいなのか、なんなのか、「時間や約束にルーズ」な人が多いような気がする。つまり「ブッチする(=ドタキャン)」するわけだ。それをとても心配している。
新入社員の皆さんはまだ何ものにもなっていない。だからこそ、まず職場で「信頼を得る」ことが最重要課題となる。信頼されなければ、仕事を任せられることもない。「あの人には重要な仕事は回せないな」。そう思われたら、自分の実力を発揮する場を失ってしまう。これは長い会社員生活で致命的だ。これをまずよく知ってもらいたい。
信頼を失うのは簡単だ。遅刻すればいい。決められた場所、決められた時間に現れない。それだけで、人の信頼を失うのに充分だ。しかも、1回でいい。
「1回くらいいいじゃん」。そうみなさんは考えるかもしれない。それは大きな間違いだ。会社にとって、重要な会議や商談、やっと得たチャンスかもしれない。1人が遅刻することにより、チームの仕事全体にどれだけ影響を及ぼすか。自分の信頼を失うだけならまだしも、会社全体の信頼を棄損するかもしれない。簡単に考えてはいけないのだ。
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