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平成10年の年賀状②「最初の小説を出すまでの日々」

Japan In-depth / 2023年4月12日 11時44分

27歳になって心定まらぬ父親に連れられて広島に連れていかれた長男は1歳半になっていた。辞職の挨拶をすると地検の公安部長だった中年の検事は、「それはいい決断をしたね。検事はね、なんといっても結局転勤々々だからね。子どもが犠牲になる。」と、意外にも、しかしなんとも優しい言葉で祝福してくれた。


私は小学校を三回転校した。いうまでもなく父親の転勤に伴ってのことである。私の子どもはどちらも、一度も小学校を替わっていない。弁護士は強制的に住所を替えられることはない。そして父親は転居の際には子どもの学校を最優先にするものだ。


私はその法律事務所に6年いて独立したが、自宅は転居していない。オフィスが丸の内のAIUビルから青山ツインに移っただけである。


(平成10年の年賀状①はこちら)


トップ写真:破綻した山一證券 1997年11月25日


出典:Photo by Yamaguchi Haruyoshi/Sygma via Getty Images


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