富山マラソンと「正面突破」の精神 「高岡発ニッポン再興」その71
Japan In-depth / 2023年4月20日 11時55分
出町譲(高岡市議会議員・作家)
【まとめ】
・マラソンで頼みの綱は、己の体力のみ。「正面突破」の精神しかない。
・自分のペースで進み、晴れの日も雨の日もあるマラソンはまるで人生の縮図。
・何をするにしても、挫けずに前を向いて前進するしかない。
私は今年11月の富山マラソンに出場しますが、2016年に引き続き、17年も参加しました。その時は、晴天の16年とは打って変わって冷たい雨でした。全身がびしょ濡れになりましたが、沿道からの声援を受けて走っていると、心も体も熱くなりました。応援する人との一体感をぞんぶんに味わったのです。記録は4時間55分05秒。去年の記録を大幅に上回り、自分なりに満足しました。
マラソンで頼みの綱は、己の体力です。普段からの鍛錬は不可欠です。号砲が鳴ると、あとは孤独な闘いとなります。体力、気力の限界への挑戦です。「正面突破」の精神しかない。走りながら思うのは、「正面突破」という言葉です。誰も助けてくれないからです。
▲写真 富山マラソンでランナーに用意されている富山名物のますのすし(筆者提供)
その時のマラソンで改めて痛感しました。自分よりも速いペースで追い越す人もいれば、途中歩く人もいます。またある人は屈伸運動をしていました。速く走る人を羨んでもしょうがない。人はそれぞれペースが違います。それに晴れの日だけではありません、雨の日もあります。人間社会、そして人生の縮図のように感じました。
振り返れば、私が最初に「正面突破」を試みたのは、高校受験でした。どうしても、地元一番の進学校、高岡高校に行きたかったのです。しかし、進学できるのは、中学のトップレベルの人ばかり、私にとっては、無謀な賭けでした。前日まで勉強して桜が開きました。なぜか、自信がありました。
せっかく入った高岡高校なのに、勉強そっちのけ。成績は最下位近辺にいました。生徒会長、ラグビー部、応援団と、勉強以外のことばかりに熱中しました。
あっという間に月日が経ち、3年生になりました。合格するような大学は皆目見当がつきません。しかし、ある人の言葉をきっかけに、志望校を早稲田大学にしました。その人とは、1学年上の女性の先輩。彼女はラグビー部のマネージャーを務めていましたが、私にとっては片思いの人でした。
彼女は前の年に、早稲田の近くの女子大に進学し、時折、文通していました。ある時の手書きにはこう書いてありました。
「早稲田があなたを待ってます」。彼女にとっては勇気づける言葉だったのですが、私は狙いを早稲田に絞りました。関心のある学部を片っ端しら受験しましたが、全滅でした。そして、一浪。猛勉強しました。すると、成績はぐんぐんよくなり、結局、早稲田大学政経学部が振り向いてくれた。
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