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本当に「AIが仕事を奪う」のか(下)ポスト・コロナの「働き方」について その4

Japan In-depth / 2023年4月22日 18時0分

 業界の側でも、もちろん手をこまねいているわけではなく、ヤマト運輸などは「翌日14時までの配達」を「翌々日午前中以降」にするなどの対策を公表している。不在などで「再配達」となることが、ドライバーにとって最大の負担なので、それを軽減する目的だとのことだ。日本TVなどが報じた。


 料金についても、今後見直しが進むとされている。言い方は悪いが、語るに落ちたとはこのことで、これまでドライバーが過酷な労働環境に甘んじていたから、世界一とまで言われる宅配システムが機能していたのだと、認めたようなものではないか。


 さらに言うなら、業者の社員ではないドライバーの処遇はどうなるのだろうか。彼らは「個人事業主」で、労働時間についての労使協定などない環境(世に言うゼロ時間契約)で輸送や配達を引き受けている。彼らの収入減は労働時間単位ではなく、運んだ荷物の数量でもって決まる。


 個人的な感想ながら、私などには身につまされる話で、何時から何時まで働く、というノルマも課せられないが、その代わり、たとえ徹夜してでも締め切りまでに所定の字数を書き上げなければならない。


 前回、英国ではトラック運転手の多くが移民労働者である、と述べたのも、この話題と無関係ではない。


 すでに前述の「トラガール」について、物流業界の人手不足解消に一役買ってくれるのでは、などという声が聞かれる。


 女性ドライバーが増えるのは、別に問題はないと思うが、今後、より安く働いてもらわないと、という論理でもって「ゼロ時間ガール」が増えたり、移民労働者を増やせばよい、という議論にならないか、という心配は残る。


 単なる儀以前であろうとは思うが、ちょうど昨今、自動運転の車が注目されているが、これもまた、ドライバーの仕事を奪う、と言うようには捉えず、ドライバーの労働環境を改善するための福音と考えることはできないものだろうか。


 技術の進歩とは本来、人を幸せにするためのものなのだから。


 (つづく。その1、その2、その3)


トップ写真:サイバーシティのスカイラインとのメタバースでのチームワーク


出典 :XH4D/Gatty Images


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