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自民・維新タッグ候補敗れたわけ「世田谷区長選」

Japan In-depth / 2023年4月24日 18時0分

内藤氏の指摘はもっともだったが、選挙の際には分かりやすい争点が必要だ。「庁舎建て替え400億円をゼロに」という政策が一番わかりやすかったが、防犯や物価高対策などを合わせて訴えたため、総花的になり、保坂区政の問題点が充分有権者に浸透しなかった。


保坂区政には正直評価する点がない。コロナの時は「世田谷モデル」と称して、5億円も使ってPCR検査拡充をやったが、感染拡大防止に効果は乏しかった。検査拡大や検査キット無償配布よりやるべきことはあった。


地域通貨「せたがやPay」は2021年2月に突然スタート。周知は当初進まず。いきなり30%還元で、同アプリを知っている人だけが白物家電や自転車など高額商品を購入、一気に予算を使い切ったのは周知のとおり。デジタル弱者は置き去りになり、それは今でも続いている。


そして庁舎建て替えについては区民に周知もなく、いつの間にか始まっていた。内藤氏が指摘しなければ400億円も区税が使われるとは誰も知らなかったろう。


また、ふるさと納税で税金が毎年流出しているのも問題だ。令和4年度には87億円が区民税減収となった。この数年間拡大し続けているのに区は有効な手立てを打てていない。。


こうしてみると12年間の保坂区政とはなんだったのか、首を傾げたくなる。


それでも区民は保坂氏を選んだ。NHKの出口調査によると、今回、自民党、公明党、維新の政党支持者は半数しか内藤氏に票を投じなかった。票を固めきれなかったのは明白だ。


4年後、区民はどのような選択をするのか。保坂区政の継続を信任した区民には、同区政を評価する責任がある。これは世田谷区だけの問題ではない。投票率が3割、4割前半と低迷する中、漂流する有権者の覚悟が問われ続けねばならない。


(了)


トップ写真:内藤候補、マイク納めの様子。足を止める人はまばらだった。4月22日19時45分 世田谷区三軒茶屋駅前©︎Japan In-depth編集部


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