駐仏中国大使発言と習・ゼレンスキー電話会談
Japan In-depth / 2023年5月1日 18時0分
実は、盧沙野大使の問題発言は今回が初めてではない。大使は最近、台湾の人々が北京の支配下に置かれたら、『再教育』されるべきだと発言している。
(遵法精神に欠け、人権意識を持たない)「前近代的」な中国共産党が、すでに「近代化」された台湾人をどのように「再教育」するのだろうか。まさか、同党特有の「中華思想」や「習近平思想」で台湾人を洗脳しようというのではあるまいか(香港の「一国二制度」崩壊の“悲劇”は「近代化」された香港人が「前近代的」な同党に直接統治されたからだと考えられる)。
本来、習政権は盧大使が北京の考えと異なっているならば、即刻、更迭すべきではないか。北京が盧大使を更迭しないという事は、大使が中国共産党と同じ考えを持っているという証左だろう。
4月24日、盧大使発言を“かき消す”かのように、習主席はウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行っている(ゼレンスキー大統領は、以前から習主席との会談を望んでいた)。
同大統領は主席と「長く有意義な」電話会談を行い、ロシアとの開戦以来、中国と初めて接触があったと述べた(e)。また、大統領はTwitterで、北京大使を任命するとともに、この電話会談が「2国間関係の発展に強力な推進力を与える」と明言している。
中国共産党はウクライナからの呼びかけを確認し「我々は常に平和の側に立っている」と付け加えた。西側とは異なり、同党はロシアのウクライナ侵略に対し中立な立場を保とうとしてきた。だが、北京はモスクワとの親密な関係を隠し、ロシアのウクライナ侵略を非難したことは一度もない。
一方、ロシアはゼレンスキー大統領と習主席が開戦後、初めて電話会談を行ったことを受け、キエフがモスクワとの対話を拒否することで「平和的イニシアチブを台無しにした」と非難(f)している。
〔注〕
(a)『中国瞭望』「『調停者』の装いをまとった戦狼が戻って来た」(2023年4月25日付)
(https://news.creaders.net/china/2023/04/25/2601232.html)
(b)『The Economist』「台湾をめぐるエマニュエル・マクロンの失態」(2023年4月12日付)https://www.economist.com/leaders/2023/04/12/emmanuel-macrons-blunder-over-taiwan)
(c)『中国瞭望』「盧沙野、中国共産党の主権の考え方を明らかにし、マクロンを平手打ちにする」(2023年4月24日付)
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