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LGBT問題は米民主党の「接着剤」

Japan In-depth / 2023年5月1日 23時0分

一見、エマニュエル大使とAOCは同志的に歩調を合わせていると映る展開である。


ところがAOCは、バイデン大統領がエマニュエル氏を駐日大使に指名した際、「深く恥ずべき」人事と非難し、撤回を求めたことで知られている。なぜか。


2014年、若い黒人男性が、シカゴ市警警官の発砲で死亡した事件に関し、当時選挙を控えていたエマニュエル市長が、自身の再選を待って現場ビデオを公表した行為を、AOCはじめ民主党左派は、個人的利益を優先した証拠操作と厳しく指弾した。


2021年にAOCが出した「エマニュエル大使人事反対」声明から引いておこう。


「この人事は、深く恥ずべきものだ。シカゴの市長として、ラーム・エマニュエルは、ラクアン・マクドナルド(シカゴの警察官に背後から16発の銃弾を撃ち込まれた時、まだほんのティーンエイジャーだった)殺害事件の隠蔽に加担した。それだけでも、いかなる公職にも就く資格がないと断言せねばならない。いわんや、大使としてアメリカを代表するなど論外だ」


もっとも保守派に言わせれば、AOCは「警察の資金を断て」運動の中心人物で、エマニュエル氏以上に犯罪に甘く、治安問題で発言する資格などないということになる。


なおAOCは、日本滞在中に福島も訪れ、反炭素運動の旗手グレタ・トゥンベリさん同様、原子力活用に一定の理解を示し、日本の原発管理体制は「科学的で、安心できた」など評価する発信をしている。要するに、火力発電所を動かすくらいなら原発をという立場である。 


なお、共和党においても、民主党流のLGBT差別禁止に反対し、巻き返しが必要とする点では立場が一致するものの、特に次期大統領を目指す政治家の間で、ジャブの応酬と言える動きはある。


例えばフロリダ州では、2024年大統領選の有力候補でもあるロン・デサンティス知事主導で、小学3年以下の教室では、性自認や性的指向に関するイデオロギー教育をしてはならないとする州法を成立させた。これに対し左派勢力から、LGBT差別であると同時に言論の自由の抑圧だとする激しい非難や訴訟の動きが起こった。一方、共和党知事の州においては、あとに続く動きが活発化している。



写真)イスラエルのエルサレムで開催されたエルサレム・ポスト会議でスピーチをするフロリダ州知事のロン・デサンティス (2023.4.27 イスラエル)


出典)Amir Levy/Getty Images


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