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バカンスとホリデー 正しい(?)休暇の過ごし方 その1 

Japan In-depth / 2023年5月4日 23時0分

バカンスとホリデー 正しい(?)休暇の過ごし方 その1 


林信吾(作家・ジャーナリスト)


林信吾の「西方見聞録」





【まとめ】


・GW、どこも人混みで往生するためどこかへ出かけることはしない。


・バカンスの語源は「やることがない=休暇」という発想。


・日本にはまだリゾート文化というものが定着していないのではないか。


 


この時期『笑点』を見ると、昨年他界された六代目・三遊亭圓楽師匠がよく、


「TVの渋滞情報を見ながら、家でビールを飲む。これが正しい連休の過ごし方」


 などと言って、笑いを取っていた。


 私は、さすがにそこまで腹黒くはないけれども笑、連休を利用してどこかへ出かけることはしない。理由は圓楽師匠がネタにしていたように、どこも人混みで往生するからだ。10年ほど前に、よんどころない事情で連休に車で遠出したところ、普通は4時間弱の道のりが10時間近くもかかり、こんなに疲れるのでは休日の意味がない、と思ったこともある。


 ただ、この時期もしも遠出をするのであれば、ロンドンに行きたい、とは思う。


 5月、緑がひときわ鮮やかになり、そして花が咲き乱れるという、まさしく春の訪れを感じる季節なのである。


 不思議に思われた読者もおられるかも知れないが、ロンドンは北緯51度。日本列島の最北端より、まだずっと北で、樺太(サハリン島)の真ん中あたりに相当する。


 これだけ緯度が高いと、どうしても冬が長くて夏が短い気候となり、春の訪れも日本よりは遅く、ちょうど5月の連休あたりの時期と重なるのだ。


 もちろん英国には、ゴールデンウィークなどというものは存在しない。ただ、5月の中旬にはFAカップ(プロ・アマ関係なく参加できるサッカーの全国トーナメント。日本の天皇杯に相当する)の決勝戦が行われるし、下旬には南部のチェルシーという街で、有名なフラワーショーが催される。


 世界屈指のサッカー大国、そしてガーデニング大国の「本気」が味わえるのだ。


 サッカーについてさらに述べると、わが国のJリーグが「春秋制」で闘われているのに対し、イングランドのプレミアリーグは「秋春制」なので、天皇杯決勝が12月初旬、FAカップ決勝戦が5月中旬なのも、この違いを反映したものだが、気分的にはシーズンが締めくくられて次を待つ、という時期でもある。


 この国にはゴールデンウィークなどないと述べたが、その代わり夏の休暇は3~4週間ほどもある。ただしそれでも、一般に南欧諸国に比べると短いようだ。


 日本でも、バカンスという言葉はよく知られているが、語源はラテン語のヴォートVuotoで「空白」「なにもない」と言ったほどの意味。つまりは「やることがない=休暇」という発想だと思われる。


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