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日本はイランになぜ甘いのか

Japan In-depth / 2023年5月9日 23時14分

そのうえで同論文はイランのそのロシア軍事支援が明白となった昨年9月以降、G7諸国がつぎつぎとイランへの制裁措置をとったのに日本だけはなにもせず、「東京とテヘランの間では資金と製品が自由に流れ、ウクライナ戦争の継続とイランの有害な行動を激励している」と日本を批判していた。





ボルトン氏は従来日米同盟の堅持論者で日中関係などでは日本の立場を一貫して支持してきたが、今回は日本がイランに甘いと非難する。ただしイランの核兵器開発では日本も国連制裁に同調してきたことを暗に認めながらも、イランのロシア軍事支援への制裁措置を日本に求めるのだった。









▲写真 無人ドローンなどでロシアの軍事侵略を支援するイランに対し、蝋燭やプラカードで抗議するウクライナの人々(2022年10月17日 ウクライナ・キーウのイラン大使館前)出典:Photo by Yevhenii Zavhorodnii/Global Images Ukraine via Getty Images





ボルトン論文は具体的には以下の骨子を述べていた。





▽日本外務省の山田重夫審議官が4月上旬にイラン側にロシアへの兵器供与を止めるよう要請したというが、そんな要請はばかげている。イランは制裁や圧力をかけなければ動かないからだ。





▽日本の総合商社の双日は2022年、イラン製のポリエチレン樹脂6万4千トンを購入したことに対してアメリカ政府財務省から5百万ドルの懲罰金を課された。この購入はアメリカのイラン石油化学部門への制裁を侵食した。





▽イランの核武装に反対する米欧民間組織の「反イラン核連合」(UANI)は22年にイランが支援する国際テロ組織のヒズボラが日本の通信機器企業のアイコムの製品を使用している証拠を公表した。アイコムはイラン国内に別個の形をとる代理店を保有している。





▽UANIはさらに最近、日本の防衛関連企業のフジクラが米欧からの制裁対象となったイランの組織が加わる市場に関与している証拠を得た。その対象にはイランの革命防衛隊も含まれる。





▽他の日本企業はイランの軍用無人機に使われる部品やソフトウェアをイラン用無人機を製造する中国企業に売却している。





ボルトン氏は以上のような日本とイランとの商業取引はアメリカにとっては許容できないとして、日本がイランとの貿易関係を全面的に断つことを求めた。同時に同氏はこの日本とイランとの絆が5月の広島でのG7首脳会議でも批判的に提起されるだろうとも述べた。





**この記事は日本戦略研究フォーラムの論文サイトに掲載された古森義久氏の論文の転載です。





トップ写真:セイエド・エブラヒーム・ライースィ・イラン・イスラム共和国大統領と握手する岸田総理(写真提供:内閣広報室)出典:外務省




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