中国経済の本当の姿と新型コロナ再流行
Japan In-depth / 2023年5月21日 11時0分
図)グラフ3
昨年6月から9月にかけて消費が前年同期比プラスなので、今年6月以降の数字を見なければ、消費が上向いたかどうかわからない。ただ、のちに触れるように、新型コロナの変異株が中国全土で散発的に起きている。そのため、これから消費が回復するかどうか微妙な形勢である。
一方、中国のGDPの20~30%を占める不動産開発投資(裾野が広いため)だが、依然、厳しい状勢にある。
国家統計局は固定資産投資同様、単月ではなく、1-3月、1-4月と累計で示している。これでは、何がどうなっているのかさっぱりわからない。そこで、単月毎の図表(グラフ4)を作成してみよう。
図)グラフ4
グラフにはないが、2022年1-2月期は1.4499兆元で前年同期比の1.3986兆元をかろうじて上回っている(+3.6%)。ところが、その翌3月から今年4月までの13ヶ月、連続で前年同月比マイナスとなった。特に、昨年11月以降、(今年3月を除き)不動産開発投資が、1兆元(約20兆元)を割り込んでいる。
仮に、今後も1兆元割れが続くようであれば、ひょっとして、不動産バブルが崩壊したと言えるのかもしれない。
さて、話は変わるが、5月5日、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、新型コロナがもはや「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(「パンデミック」)に該当しないと発表(a)した。過去3年間の流行で、全世界では7億6千万人以上の陽性症例と690万人以上の死亡が報告されている。
ところが、4月29日、中国疾病管理予防センターが公表した最新の新型コロナの全国発生状況によれば、4月21日から4月27日までに全国で報告された集団のPCR 検査陽性数および新型コロナ陽性率は上昇傾向を示しているという。4月27日には陽性率が4.4%となった。その前の3月、PCR 検査陽性率は1%未満で推移していたのである。
実際に、中国内の臨床医も「4月中旬から感染者数が徐々に増えている」(b)と感じ取っているという。
そして、メーデーにあたるゴールデンウィーク明け(4月29日~5月3日)、各地で新型コロナ感染者の流行が報告され、広東省東莞市の東城街では5日、6日から13日まで連続8日間のPCR 検査を手配するとの予告が出された(c)。
この発表により、PCR 検査が再流行するのではないかと、市民の間でパニックが起きた。また、北京をはじめとする中国の多くの大では、新型コロナの陽性反応の出た学生を隔離するよう要請されたと噂されている。他方、安徽省では再びPCR 検査の行列ができているという。
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