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中国軍の日本奇襲作戦

Japan In-depth / 2023年5月29日 7時0分

古森義久 「中国軍が万が一、台湾への武力攻撃を断行する場合、具体的にどんな軍事行動をまずとると予測しますか」





トシ・ヨシハラ 「その種の戦争を決して起こすべきではない、という基本を強調したうえで、私の分析を述べましょう。中国人民解放軍の戦略ではまず日本国内にミサイルで奇襲攻撃をかけて、在日米軍の主要基地や自衛隊の重要基地の破壊を図るというシナリオがこれまでかなりの期間、頻繁に検討されています。これが第一に優先されるシナリオだともいえます。





 中国側の戦略思考としてはいざ台湾攻撃、そして米軍との全面衝突となれば、アメリカ側が本土、あるいはハワイなどの遠隔基地からの強力で大規模な部隊を動員して反撃してくることをもっとも恐れるわけです。だから米側のその動員の導入部となる在日米軍の戦力を戦争の当初に最大限、破壊することを求めることになります。





 中国軍は台湾攻撃でのアメリカとの全面戦争では圧倒的に強大な米軍が北京・天津、上海・南京、広州・深圳という三大メガロポリスに大規模な戦略攻撃をかけ、中国の総合戦力の基本を破壊する能力を有し、しかもその戦略攻撃を意図すると予測しています。その攻撃が実行されれば、中国は決定的に近い損害を受けることになります。





だから中国側としてはその戦略攻撃を全力を投入して阻止し、制限することが不可欠となる。そのための作戦が米軍の前方展開拠点である日本国内の主要基地への攻撃なのです。中国にとっては国家生存のかかる重大事態なのです。だから横須賀や沖縄の米軍基地がまず攻撃目標となります」





古森 「その種の中国軍の戦略はどうして知ることができたのですか」





ヨシハラ 「アメリカ側の情報機関の国防情報局(DIA)、国家安全保障局(NSA)、中央情報局(CIA)などが常時、取得している中国軍の動向に関する情報に加えて、私自身が人民解放軍とその関連機関の作成している文書類を広範に点検して、情報をさらにつかみ、分析した結果です。





具体的には中国側の軍事科学院や国防大学の専門家たちが作成する論文に加え、人民解放軍の現役の幹部たちが内部で発表する作戦案などもあります」





古森 「中国側のその種の攻撃は奇襲攻撃になるという予測ですが、不意撃ちということでしょうか。また人民解放軍は奇襲攻撃という戦略は年来、保持してきたのでしょうか」





ヨシハラ 「人民解放軍には毛沢東時代から『強大な敵に対しては不意を突く奇襲攻撃が最大の効果がある』とする伝統的な思考があります。敵の油断を狙っての前兆なしの突然の攻撃です。その奇襲にも人民解放軍には年来、『急襲』、『奔襲』、『破襲』など形態が微妙に異なる6種の不意撃ちの先制攻撃の手法があると宣言しています」 





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